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トリメブチン(Trimebutine)は、慢性胃炎など消化器疾患などによる腹部疼痛や悪心・嘔吐、腹部膨満感などの症状を抑える薬。下痢型、便秘型、混合型などいずれの病型の過敏性腸症候群(IBS)に対しても効果がある。セレキノンの商品名で知られる〔役に立つ薬の情報~専門薬学 深井良祐 〕〔トリメブチンマレイン酸塩錠100mg「日医工」ALL ABOUT 〕。 == 概要 == 胃腸の働きが弱っているとき、トリメブチンは運動を活発にさせ、逆に消化管運動が亢進しすぎている場合には、運動を抑制する作用を持つ。すなわち消化管の状態が活発でありすぎる場合、低下した場合の両方に効果がある。このため食欲不振や膨満感、胸やけなどのほか、過敏性腸症候群(IBS)にも使用される。消化管運動調律成分トリメブチンマレイン酸塩を有効成分とする〔田辺三菱製薬 〕。 == 機序 == 胃腸には、運動を制御している物質として腸管運動を活発にするアセチルコリンのほか、腸管運動を抑制する働きをするノルアドレナリンなどが存在する。人が休養時には一般にアセチルコリンが分泌されることから胃酸分泌が活発になり、胃腸の運動は亢進する。逆に行動時や緊張時には、瞳孔が開き、気管支は拡張する。この際には消化吸収に余力はなくなり、腸管運動を低下させる。このような作用をする物質が、ノルアドレナリンである。このような人体の作用を利用し、薬によってアセチルコリンやノルアドレナリンの働きを制御することで、腸管運動を調節できる。こうした考えのもとに、腸管運動に関する物質の働きを調節することで、消化管運動を改善する薬として開発されたのがトリメブチンである。 腸管運動が活発すぎる場合に、当薬を投与するとアチセルコリン分泌に関わる副交感神経のオピオイド受容体(μ受容体、κ受容体)に作用し、腸管運動の低下をもたらす。逆に腸管運動が低下した際に当薬を投与することでノルアドレナリン分泌に関する交感神経のオピオイド受容体(μ受容体)に作用しノルアドレナリンの分泌低下が起こり、腸管運動が活性化する。使用法としては少量投与することで消化管機能が活発になり、大量投与で消化管機能が抑制されるため、過敏性腸症候群による下痢、腹痛などの症状を抑制できる。このため、使用量の調整が大変重要になる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「トリメブチン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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