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軟焦点レンズ(''Soft Focus Lens'' )とは、一般の写真レンズが各収差を可能な限り減らしてシャープに写るように設計されているのに対し、故意に収差を残し、ピントが合った像が軟かいものとなるように設計されている写真レンズである。ピントの芯がちゃんとあり、その周囲に滲みが現れる点がピント外れとの違いである。 黒白写真の時代のものには色収差を利用したものもあったが、カラーでは色収差は色の滲みとなるためもっぱら球面収差を利用する。 == 無調整式 == *エミール・ブッシュ製ニコラ・ペルシャイト *エルンスト・ライツ(現ライカ)製タンバール90mmF2.2 - ほぼ全ての軟焦点レンズは球面収差を補正不足側に残しているが、タンバールは逆に過剰補正側としているのが特徴である。収差が小さいレンズ中心を覆い隠してソフト効果を増すアタッチメントが付属する。 *ケンコー・トキナー製ソフトレンズ - 35mmF4と85mmF2.5がある。 *コンゴー製ポートレート・コンゴー *ヴェスト・ポケット・コダック単玉 - 軟焦点を意図して設計されたレンズではないが、絞りの開口をF11に制限している部品を外して開口を広げることでソフト効果があらわれる。少しでも速いシャッタースピードで撮影するため部品を外して使ったところ軟焦点描写が得られたため発見された等と言われている。 *パーレット単玉 - ヴェスト・ポケット・コダックのコピーである六櫻社(コニカを経て現コニカミノルタ)製パーレットでも単玉の固定絞りを外して同様に使用された。 *ケンコー・トキナー製MCソフト45mmF4.5レンズ - ヴェスト・ポケット・コダック単玉の描写を得られるよう設計されたレンズ。 *清原光学製キヨハラソフト - ヴェスト・ポケット・コダック単玉の描写を得られるよう設計されたレンズ。 *ウォレンサック製ベリート - 2枚貼り合わせのメニスカスレンズを前後対象に配置した2群4枚構成〔『クラシックカメラ専科No.23、名レンズを探せ!トプコン35mmレンズシャッター一眼レフの系譜』p.69。〕。高級軟焦点レンズの代名詞となり、安価な軟焦点レンズを「プアマンズ・ベリート」と称することがある。8¾inF4〔、11½inF4〔『クラシックカメラ専科No.23、名レンズを探せ!トプコン35mmレンズシャッター一眼レフの系譜』p.54。〕、18inF4〔があった。 *ウォレンサック製ベリター - ベリートを近代化したもので、コーティングされカラーの発色も良いという〔。14inF6があった〔。 *ペンタックス - 1群2枚構成の85mmF2.2、オートフォーカス対応のFソフト85mmF2.8、FAソフト85mmF2.8、FAソフト28mmF2.8、ペンタックス67用のソフト120mmF3.5がある。 その他レチナやライカLマウントに存在するエクター50mmF2など絞り開放での残存球面収差の多いレンズを軟焦点レンズとして使用する場合もある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「軟焦点レンズ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Soft focus 」があります。 スポンサード リンク
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