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タイフォン戦闘システム (Typhon Combat System)は、アメリカ海軍がかつて開発していた防空戦闘システム。技術面・コスト面の問題から、最終的に計画は放棄されたが、その理念や経験は、のちのイージスシステムに引き継がれた。なお、「タイフォン」とは、ギリシア神話の神テューポーン(Typhon)の英語音表記である。 ==来歴== 太平洋戦争末期に日本軍が実施した特別攻撃に対処するため、アメリカ海軍は防空システムにおいていくつかの新機軸を導入したが、艦対空ミサイルというアイデアもその一つだった。いくつかの応急的なミサイル開発計画が実施されたのち、1944年にバンブルビー計画が開始された。その成果として、長距離射程のタロス、中距離射程のテリア、短距離射程のターターという3種類の艦対空ミサイルが実用化され、これらはその頭文字から3Tファミリーと呼ばれた。 しかし、3Tファミリーのうち、もっとも早く開発が進行したテリアミサイルがようやく就役しつつあった1950年代後半の時点で、既にこれらのミサイル・システムには、設計による宿命的な限界が内包されていることが指摘されていた。具体的には、 * 攻撃に際しては、同じ目標を捜索レーダーと射撃指揮装置が重複して追尾することになる * ミサイルの発射から命中まで、1つの目標に対して1基の射撃指揮装置が占有されてしまう という問題が指摘されていた。このために、同時に対処できる目標は射撃指揮装置の基数と同数(2~4目標)に制約されていた上に、自動化の遅れから、即応性にも問題があった。 一方、ソヴィエトにおいては、1950年代末より対艦ミサイルの大量配備が進んでおり、複数のミサイルによる同時攻撃を受けた場合、現有の防空システムでは対処困難であると判断されたことから、アメリカ海軍は1958年より次世代の防空システムとして、タイフォン・システムの開発を開始した。なおこの時期、「3Tファミリー」の末弟であるターターは、まだ実戦配備にも至っていない状況であった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「タイフォン・システム」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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