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タシ・ナムゲル : ウィキペディア日本語版
タシ・ナムゲル

タシ・ナムゲル(Tashi Namgyal; シッキム語: བཀྲ་ཤིས་རྣམ་རྒྱལ་; ワイリー表記: ''Bkra-shis Rnam-rgyal''、1893年10月26日 - 1963年12月2日〔Coelho(1970)、日本語版75頁と落合(1986)、173頁による。〕)は、シッキム王国(ナムゲル王朝)の第11代君主(在位1914年 - 1963年)。日本語表記としては、「タシ・ナムギャル」もある。
== 事績 ==

=== シッキムの近代化 ===
1914年、異母兄の第10代国王が崩御したため、タシ・ナムゲル(以下、「タシ」と略す)が後継することになった。しかし、当初はイギリス政府代表であるチャールズ・ベルの後見を受け、1918年4月に正式に国王となった時にようやく完全な権限が与えられている。同年10月、チベットの将軍ラカシャル・デボンの娘であるクンザン・デシェンと結婚した。〔Coelho(1970)、日本語版58頁。〕
タシは、様々な分野でシッキムの近代化を推進した。まず1916年には、それまでカジス(地主や行政長官を担う階層)が手中にしていた司法権を取り上げ、独立した裁判所を設立した。後に1953年にはインド型の民法・刑法に範をとった裁判手続が導入され、1955年には最高裁判所が設立されている。また、強制労働の慣習を廃止し、土地改革・税制改革を敢行した。これらの改革は、シッキムにめざましい経済的・社会的発展をもたらすことになる。〔Coelho(1970)、日本語版58ー59頁、75頁。〕さらに第二次世界大戦の終結後には、政党の結成を許可した。しかし政党結成の許可は、皮肉にも各政党間で対インドの姿勢をめぐる激しい対立・混乱を惹起し、後述するようなインドのシッキム内政干渉を招く結果となる。〔Coelho(1970)、日本語版63-65頁。落合(1986)、150-153頁。〕

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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