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タタ・ナノ (TATA nano) はインドの大手自動車メーカー、タタ・モーターズが開発し、2008年1月に発表、同年から市販を開始した小型乗用車である。 インドでの自動車普及を目指し、10万ルピー(発表当時のレートで約28万円)という驚異的な廉価での販売を目標として開発された。事実、2008年時点の世界でもっとも安価な新車価格の4ドア乗用車である。 ナノ発表以前、インド最安価だった乗用車はマルチ・スズキ・インディアの「マルチ・800」でその価格は20万ルピーであり、その半額を標榜したナノが2008年1月の北米国際オートショーに出展された際には、多くの注目を集めた〔Ian Rowley「タタの大衆車「ナノ」、高くついた低価格の公約 話題先行の超低価格車、発表時とは違う原材料高をどう克服?」『日経ビジネスオンライン』日経BP社、2008年8月5日付配信〕。 == 製品発表・反応 == ナノの原型とも言える「10万ルピーカー」構想は、タタグループの会長であるラタン・タタが、2003年に10万ルピーで買える車を計画していると発言したことから明らかになった。10万ルピーカー構想を立てた理由としてラタン・タタは、「1家4人が1台のバイクで移動する日常風景を見て、手ごろな値段で、雨の中でも安全な移動手段を提供したい」と語っていた〔週刊東洋経済 2008年5月24日(第6144号) p.41〕。事実、インドや東南アジアなどの発展途上国では、小型オートバイに4人乗りをするような曲芸まがいの危険な運転が、21世紀初頭でも日常的に行われている。 実際、二輪車は大体3、4万ルピー程度であったのに対し、当時インドでもっとも安価なマルチ・スズキの「マルチ800」は20万ルピーと5倍以上の差があるため、ラタン会長は、その間を埋める車があればもっと多くの消費者がバイクから車に乗り換えられる、と考えた模様である〔。 2008年のインドでは、「新中間層」と呼ばれる世帯年収9万から20万ルピー(2008年5月のレートで、日本円で約25万から56万円)程度の世帯が急増していた。そして10万ルピー(約28万円)という金額は彼ら新中間層の年収1年分程度であり、10万ルピーカー構想はまさにインド版「大衆車」・「国民車」構想であった〔。 しかしながら、発表当時は10万ルピー程度では、精々が原動機付き人力車(簡易なオートリクシャー)や簡素な軽トラック程度の値段であり、まともな乗用車としての機能を備えた10万ルピーカーなど実現は無理、と噂されていた。この論調は専門家でも同様で、マルチ各車によってインドで最大のシェアを占めていたスズキ会長・鈴木修も、ラタン・タタの構想に対し、「10万ルピーの車は非現実的」と発言していた〔http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080110/145213/?ST=AT〕。 この「不可能」とする世評を覆すように、2008年1月、インド本国のデリー自動車エキスポでナノは発表された。この際のプロモーションでは、先の鈴木会長の「10万ルピーの車は非現実的」という発言が幾度となく使われた。 発表されたタタ・ナノについて直後にマスコミからコメントを求められた鈴木会長は、(少なくとも)外見は立派な車であり、相当に売れるであろう、と率直に評し、タタの動向を見守りながら対策を検討していく考えを示唆した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「タタ・ナノ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Tata Nano 」があります。 スポンサード リンク
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