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タプル : ウィキペディア日本語版
タプル
タプルまたはチュープル()とは、複数の構成要素からなる組を総称する一般概念。
数学計算機科学などでは通常、順序付けられた対象の並びを表すために用いられる。個別的には、n 個でできた組を英語で「」と書き、日本語に訳す場合は通常「n 」としている。タプルの概念そのものもと呼ばれる場合がある。なお、 は数学のタプルを意味するほか、同様に 、 などの拡張として倍数詞の表現にも利用される(''詳細は「倍#西洋数学における n 倍を表す表現」を参照'')。
==数学におけるタプル==

===非形式的説明===
集合論では ''n'' 組 (''n''-tuple) とは ''n'' 個の対象 ''a''1, ''a''2, ..., ''a''''n'' の順序づけられた組であり、普通、括弧でくくって (''a''1, ''a''2, ''a''3, ..., ''a''''n'') のように書かれる。 タプルが順序づけられているということは、2 つの ''n'' 組 (''a''1, ''a''2, ..., ''a''''n'') と (''b''1, ''b''2, ..., ''b''''n'') が等しいとされるのが、対応する位置の要素がすべて等しいとき、すなわち (''a''1 = ''b''1) ∧ (''a''2 = ''b''2) ∧ ... ∧ (''a''''n'' = ''b''''n'') であるとき、かつそのときに限ることを意味する。 タプルと直積集合には密接な関係があり、''n'' 組の ''i'' 番目の対象が集合 ''A''i の要素とみなされるならば、''n'' 組は直積集合 ''A''1 × ''A''2 × ... × ''A''''n'' の要素である。
2 つの要素 ''a'' ∈ ''A'', ''b'' ∈ ''B'' の順序づけられた組 (''a'', ''b'') ∈ ''A'' × ''B'' は特に順序対 (ordered pair) と呼ばれる。 形式上は逆に、この順序対を元とすることによって一般の ''n'' 組 (''n'' ≧ 2) を、例えば (''a''1, ''a''2, ''a''3, ..., ''a''''n'') = (...((''a''1, ''a''2), ''a''3), ..., ''a''''n'') のようにして構成的に定めることもできる。
タプルは様々な数学概念を定義するためにも利用される。 例えば、有限オートマトンは、入力アルファベットの有限集合 ''Σ'', 状態の有限集合 ''S'', 初期状態 ''s''0 ∈ ''S'', 遷移関数 ''δ'' : ''Σ'' × ''S'' → ''S'', 受理状態の有限集合 ''F'' ⊆ ''S'' の 5 つ組 (quintuple, 5-tuple) (''Σ'', ''S'', ''s''0, ''δ'', ''F'') として定められ、有向グラフは、頂点集合 ''V'' と辺の集合 ''A'' ⊆ ''V'' × ''V'' の順序対 (''V'', ''A'') として定められる。
なお数ベクトルも同じように要素の順序づけられた並びとして表されるが、数学の形式上、ある線形空間の要素とみなされるベクトル実数複素数など同じの要素からなるものである。 対して、タプルは任意の集合の要素を並べただけのずっと一般的な概念であるといえる。'n'' 組 (''n''-tuple) とは ''n'' 個の対象 ''a''1, ''a''2, ..., ''a''''n'' の順序づけられた組であり、普通、括弧でくくって (''a''1, ''a''2, ''a''3, ..., ''a''''n'') のように書かれる。 タプルが順序づけられているということは、2 つの ''n'' 組 (''a''1, ''a''2, ..., ''a''''n'') と (''b''1, ''b''2, ..., ''b''''n'') が等しいとされるのが、対応する位置の要素がすべて等しいとき、すなわち (''a''1 = ''b''1) ∧ (''a''2 = ''b''2) ∧ ... ∧ (''a''''n'' = ''b''''n'') であるとき、かつそのときに限ることを意味する。 タプルと直積集合には密接な関係があり、''n'' 組の ''i'' 番目の対象が集合 ''A''i の要素とみなされるならば、''n'' 組は直積集合 ''A''1 × ''A''2 × ... × ''A''''n'' の要素である。
2 つの要素 ''a'' ∈ ''A'', ''b'' ∈ ''B'' の順序づけられた組 (''a'', ''b'') ∈ ''A'' × ''B'' は特に順序対 (ordered pair) と呼ばれる。 形式上は逆に、この順序対を元とすることによって一般の ''n'' 組 (''n'' ≧ 2) を、例えば (''a''1, ''a''2, ''a''3, ..., ''a''''n'') = (...((''a''1, ''a''2), ''a''3), ..., ''a''''n'') のようにして構成的に定めることもできる。
タプルは様々な数学概念を定義するためにも利用される。 例えば、有限オートマトンは、入力アルファベットの有限集合 ''Σ'', 状態の有限集合 ''S'', 初期状態 ''s''0 ∈ ''S'', 遷移関数 ''δ'' : ''Σ'' × ''S'' → ''S'', 受理状態の有限集合 ''F'' ⊆ ''S'' の 5 つ組 (quintuple, 5-tuple) (''Σ'', ''S'', ''s''0, ''δ'', ''F'') として定められ、有向グラフは、頂点集合 ''V'' と辺の集合 ''A'' ⊆ ''V'' × ''V'' の順序対 (''V'', ''A'') として定められる。
なお数ベクトルも同じように要素の順序づけられた並びとして表されるが、数学の形式上、ある線形空間の要素とみなされるベクトル実数複素数など同じの要素からなるものである。 対して、タプルは任意の集合の要素を並べただけのずっと一般的な概念であるといえる。
'n'' 組 (''n''-tuple) とは ''n'' 個の対象 ''a''1, ''a''2, ..., ''a''''n'' の順序づけられた組であり、普通、括弧でくくって (''a''1, ''a''2, ''a''3, ..., ''a''''n'') のように書かれる。 タプルが順序づけられているということは、2 つの ''n'' 組 (''a''1, ''a''2, ..., ''a''''n'') と (''b''1, ''b''2, ..., ''b''''n'') が等しいとされるのが、対応する位置の要素がすべて等しいとき、すなわち (''a''1 = ''b''1) ∧ (''a''2 = ''b''2) ∧ ... ∧ (''a''''n'' = ''b''''n'') であるとき、かつそのときに限ることを意味する。 タプルと直積集合には密接な関係があり、''n'' 組の ''i'' 番目の対象が集合 ''A''i の要素とみなされるならば、''n'' 組は直積集合 ''A''1 × ''A''2 × ... × ''A''''n'' の要素である。
2 つの要素 ''a'' ∈ ''A'', ''b'' ∈ ''B'' の順序づけられた組 (''a'', ''b'') ∈ ''A'' × ''B'' は特に順序対 (ordered pair) と呼ばれる。 形式上は逆に、この順序対を元とすることによって一般の ''n'' 組 (''n'' ≧ 2) を、例えば (''a''1, ''a''2, ''a''3, ..., ''a''''n'') = (...((''a''1, ''a''2), ''a''3), ..., ''a''''n'') のようにして構成的に定めることもできる。
タプルは様々な数学概念を定義するためにも利用される。 例えば、有限オートマトンは、入力アルファベットの有限集合 ''Σ'', 状態の有限集合 ''S'', 初期状態 ''s''0 ∈ ''S'', 遷移関数 ''δ'' : ''Σ'' × ''S'' → ''S'', 受理状態の有限集合 ''F'' ⊆ ''S'' の 5 つ組 (quintuple, 5-tuple) (''Σ'', ''S'', ''s''0, ''δ'', ''F'') として定められ、有向グラフは、頂点集合 ''V'' と辺の集合 ''A'' ⊆ ''V'' × ''V'' の順序対 (''V'', ''A'') として定められる。
なお数ベクトルも同じように要素の順序づけられた並びとして表されるが、数学の形式上、ある線形空間の要素とみなされるベクトル実数複素数など同じの要素からなるものである。 対して、タプルは任意の集合の要素を並べただけのずっと一般的な概念であるといえる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「タプル」の詳細全文を読む



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