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ダニーラ・ゴヴォリーラ王 : ウィキペディア日本語版
ダニーラ・ゴヴォリーラ王[だにーらごう゛ぉりーらおう]
ダニーラ・ゴヴォリーラ王(Knjaz'Danila-Govorila)は、ロシアの民話である。
== あらすじ ==
年とった女王が、息子と娘を一人ずつ持っていた。二人とも立派な身体つきで、美しい顔立ちだった。それを妬んだ魔女が女王に指輪を渡し、王子にはこの指輪の合う娘と結婚させるようにと勧めた。女王はそれを信じ、息子にその通りに遺言して亡くなった。
王子は母の遺言に従って花嫁を探したが、国中を巡っても指輪の合う娘は見つからなかった。妹である王女が試しに指輪をはめてみたところ、指輪は王女の指にぴたりと合って輝いた。王子は喜び、嫌がる妹をよそに婚礼の準備を始めてしまった。

王女が悲しんで泣いていると老婆が通りかかった。王女は老婆たちを招き入れて食べ物をふるまった。老婆は王女の泣いている訳を尋ね、するべきことを教えると立ち去った。老婆に言われたとおりにすると、大地が二つに裂け、王女はその中に飲み込まれてしまった。
王女は地面の下をどこまでも歩いて行った。一軒の小屋を見つけたので訪ねてみると、小屋の中には美しい娘が座っていて、金糸と銀糸でハンカチに刺繍をしていた。娘は王女を優しく迎えたが、その娘の母は魔女であり、魔女が帰ってきたら二人ともひどい目に遭わされるという。王女は驚いたが、他に行く場所も隠れる場所もないので、娘とお喋りしながら一緒にハンカチに刺繍をしていた。

やがて魔女が帰る時間になると、娘は王女に魔法をかけて、王女を一本のに変えてしまった。娘はその針を拾い上げて白樺の箒に刺し込み、部屋の隅に立てかけた。娘が王女を片付けてしまうと、ちょうど魔女が入って来て「人の匂いがする」と言ったが、娘は嘘を言って誤魔化した。魔女が小言を言って出掛けたので、針にされた王女は人間に戻してもらい、娘とまた一緒に仕事をはじめて、楽しくお喋りをした。
やがて魔女が帰って来て、部屋の中を嗅ぎまわった。王女は再び針に変えられて、箒の中でじっとしていた。魔女は小言を言ってまた出かけた。二人の娘は刺繍の手を動かしながら、どうやったら魔女に食べられずに済むか相談し合った。

そこに、幾らもしないうちに、だしぬけに魔女が帰って来た。王女は人間の姿のままだった。年老いた魔女の姿を見るなり、王女は気を失ってしまった。ヤガー婆さんババ・ヤガーは骨の一本足で、鼻は天井につかえるほどだった。
魔女と娘はかまどに樫や楓の薪をくべて、火が噴き出すほどカンカンに熱した。魔女は大きなシャベルを持ち出して王女をその上に載せ、かまどの中に入れようとした。しかし王女が何度も片足を炉の外に踏ん張って入るまいとするので、魔女は怒り、手本として自分がシャベルに座って両足をそろえて前に突き出して見せた。その瞬間、二人の娘は大急ぎで魔女をかまどの中に押し込み、ふたを閉めた。王女と娘は、刺繍したハンカチと刷毛を持って逃げだした。
散々走ってから後ろを見ると、かまどから抜け出した魔女が追ってきていて、娘たちを見て口笛を吹き鳴らした。娘たちは刷毛を投げた。するとびっしり葦の茂った広大な野原に変わった。とても通り抜けられそうにもないそこを、魔女は爪で引きむしって道を開いて駆け抜けてきた。次に、娘たちは櫛を投げた。びっしり樫が生えても飛び越せないような森が現れた。魔女は歯をむき出してかぶりつき道を開いて、またも近くまで迫ってきた。二人の娘は逃げ場を失い、最後に金糸で刺繍したハンカチを投げた。それは深く広い火の海に変わった。魔女はこれを跳び越えようとしたが、火の中に落ちて燃えてしまった。
行き場を失った二人の娘を、兄王子の家来が見つけた。二人の娘は顔立ちも体つきも気品も瓜二つなのだ。どちらかが王子の妹なのは確かだが、見分けることが出来なかった。
報告を受けた兄王子がやって来たが、本当に見分けがつかなかった。王女は腹を立てていて自分からは名乗りを上げなかったので、兄は頭を抱えた。すると家来が言った。「ご主人さま、こうしましょう。血を詰めた膀胱を脇の下に挟んで娘さんたちと話をしていてください。そこへ私が行って、ナイフで羊の膀胱を刺します。血がほとばしり出たとき、姫が本心を表すでしょう」

家来は王子の脇腹を刺すふりをして羊の膀胱を刺すと、王子はが血をほとばしらせて倒れた。王女は兄が殺されたと思ってすがりつき、泣いて悲しんだ。すると兄王子はすっくと立ち上がり、妹を抱きしめた。
それから、彼は妹を立派な男に嫁がせてやり、自分は妹と一緒に来た娘を妻に迎えた。と言うのも、この娘の指に例の指輪がぴったり合ったからである。それから二人は幸せに暮らした。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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