|
レース旗()は、自動車競技、あるいはモータースポーツにおいて、コース上でドライバーに対して重要なメッセージを伝えるために使用される旗。競技長や副競技長、マーシャルポスト要員と呼ばれるスタッフが旗を振って、ドライバーにコースや自車(ないし自身)の状況を伝達する。 旗信号、信号旗とも呼ばれる。 == 概要 == モータースポーツにおいては、レース運営団や審判団とドライバーによる直接の意思疎通が難しい上、ドライバーは走行をしながら瞬時の判断を求められることから、旗の色やその掲示方法に意味合いを持たせて表示することで、意思疎通を図ろうと企図したものがレース旗である。 通常は、コントロールライン付近や所定の距離ごとに設けられたポストから掲示され、掲示された旗の意味は、原則掲示されたポストから次のポスト、ないし、グリーンフラッグが掲示されるまで効力が継続される。但し、一部旗(赤旗、黒白旗、チェッカーフラッグなど)は、掲示と同時にコース全体に対して効力が発生したり、警告の意味で掲示されるものがあるため、この限りではない。 旗が用いられるのは、ドライバーが視認できる昼間帯のみであり、夜間は旗に代わり灯火による表示に置き換えられる。夜間のレース旗表示に関しては、2008年シンガポールグランプリからのF1における夜間・薄暮レース開催に併せ開発された、「デジフラッグ」〔デジフラッグ…F1シンガポールGPで導入 〕と呼ばれるLEDライトを使用した電光掲示レース旗を併用しているサーキットもある。 レースシリーズによって使用される旗の種類が異なる、あるいは使用する旗は同じであってもドライバーに伝えるメッセージの意味合いが全く違うものもある。逆にレース旗の種類によっては他のレースシリーズで共通したメッセージの伝達として使用するものもある。特に、モータースポーツのシリーズ発祥の違いからヨーロッパが中心となるFIAが認可しているレース旗と、アメリカ発祥のインディカー・シリーズ、NASCARのレース旗とでは色味やその旗が意味するメッセージも微妙に異なる。FIAは「チャンピオンシップフラグ」という形でレース旗を厳格化しており、世界的にも知名度の高いF1、WRC、WTCCのような国際的な大会を全てカバーできるよう、モータースポーツ協会によってレース旗の種類が統一されている。 前述の顕著な例としては「チェッカーフラッグ」が挙げられる。チェッカーフラッグはどのレースシリーズにおいても「スタート/フィニッシュラインを通過してレースが終了した」という意味で使用される共通な意味を持つレース旗の代表格である。又、一般的に全ての自動車競技の中でペナルティに対しては「黒旗」が採用され、「赤旗」もレース中断を知らせる為に使用される等、これらのレース旗は各レースシリーズ間で共通している。しかし、レース旗は運営者とドライバーとの意思疎通を図る重要な手段であるため、前述の理由などで解釈の齟齬が発生することは、事故や生命の危険に関わる事態に繋がる恐れがあるため絶対に許されない。そのため、レース旗の種類や解釈は、競技規則に明示されていたり、イベント開催前のブリーフィングにおいて運営側とドライバーとの間で必ず確認される。 レース旗は掲げたままの「静止掲示」と、旗を振る「振動掲示」の2種類の掲示方法が存在し、静止掲示のみされる旗、振動掲示しかされない旗、両方の掲示方法がある旗がある。特に振動掲示はより切迫した状況を伝達する場合に用いられる。また、「競技長のみが掲示できる旗」、「競技長の指示を受けてオフィシャルが掲示できる旗」、「オフィシャルの判断で掲示できる旗」が決められているほか、アメリカンモータースポーツでは掲示場所で意味合いが変わってくる場合がある。 尚、前述してあるが、上記リストのに記載されたFIAフラッグルールは、サーキットレースにおけるルールであり、その他のラリー競技、ヒルクライム競技、ラリークロス競技等のルールにおいては、概ねの意味は同じだが、細かな掲示ルールや意味合いが違うことに注意が必要である。 又、先述のようにレース旗を厳格に統一しているFIA直下の国際レース競技においては下記のように明確な規定が存在し、色味も他のレースカテゴリーのレース旗と違う。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「レース旗」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Racing flags 」があります。 スポンサード リンク
|