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チオテパ : ウィキペディア日本語版
チオテパ

チオテパ(ThioTEPA、N,N'N'-トリエチレンチオホスホルアミド)は、抗がん剤の一種。
化学式SP(NC2H4)3で表される有機リン化合物で、N,N',N''- トリエチレンホスホルアミド(TEPA)のアナログである。分子構造は四面体で、リン酸塩に似る。アジリジン塩化チオホスホリルから造られる。エチレンイミノ基を持ち、これが腫瘍細胞のDNAをアルキル化することにより腫瘍の増殖を抑制する作用を表す。類似の作用機序を持つ物質に、ブスルファンシクロホスファミドイホスファミドがある。
== 歴史と用途 ==
チオテパはアメリカンシアナミド社が1950年代前半に開発し、1953年に発表した。広く使用されるようになったのは、1960年代に入ってからである。
イタリアのADIENNE Pharma &. Biotech社の申請により、2007年1月29日に欧州医薬品庁、2007年4月2日にアメリカ食品医薬品局より、造血幹細胞移植の前処理に用いる希少疾病用医薬品の登録を受けた。
日本では1958年に認可され、テスパミン(大日本住友製薬)などの商品名で販売されたが、原薬メーカーの設備老朽化により2009年に出荷を終了した
チオテパは他の化学療法と組み合わせて使用される。
* 全身照射の有無にかかわらず、成人および小児の血液疾患患者における同種または自家造血幹細胞移植(HPCT)の前処理
* HPCTによる高用量化学療法が、成人および小児患者における固形腫瘍の治療のために適切であるとき
チオテパは、多種の腫瘍性疾患の緩和療法に使用されている。
乳癌卵巣癌膀胱癌などにおける漿膜の空洞の拡散や胸水を制御する〔。
チオテパはまた、膀胱癌における化学療法として使用される。用法の3つのパターンが識別される。
# 予防 - 膀胱鏡を用いた生体組織診断の際に腫瘍細胞の播種を防ぐために、採取前に使用
# 生体組織診断時の補助
# 治療 - 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)の術後の再発防止
4-6週間、膀胱内に毎週30 mgの用量で投与される。多くの研究では、成功率が55%と報告されている。
主な副作用は骨髄抑制血小板白血球減少および貧血がある。血液、肝臓および呼吸器系を含む重篤な毒性は、前処置レジメンおよび移植プロセスのによるものと考えられている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「チオテパ」の詳細全文を読む



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