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チップセット(Chipset)とは、原義では、ある機能を実現するのに、複数の集積回路(IC)を組み合わせて機能を実現する構成の場合、それら一連の関連のある複数の集積回路のことをチップセットと呼ぶ。 現在では、コンピュータにおいて、CPUの外部バスと、メモリや周辺機器を接続する標準バスとのバスブリッジ〔CPU-PCIバスブリッジなどのチップはコンパニオンチップとも呼ばれる。〕などの、旧来は単機能のICを複数組み合わせて(こちらが原義のチップセット)実現されていた機能を、1個ないし少数の大規模集積回路(LSI)に集積したものを指して、チップセットと呼ぶことが多い〔1個にまで集積されてしまうと、果たして「セット」(集合)という呼称が正しいものか悩ましいが、数学的には含まれる要素が1個という「一者集合」も集合ではある。〕。本項はこのパーソナルコンピュータにおけるチップセットについて説明する。 == 概要 == 初期のPC/AT互換機では、CPUメーカーが供給する標準的なCPU周辺ICと複数の汎用ICの組み合わせによって、制御回路を構成していた。チップセットは、PCの低価格化などをはかるためにこれら周辺IC〔当時はDRAMコントローラ、i8257DMAコントローラ、INS8250シリアルI/O、パラレルI/O、μPD765AFDDコントローラなどが、統合の対象となった。〕を幾つかの、より高密度なLSIに統合したもので、チップス・アンド・テクノロジーズ(後の1997年にインテルに買収された)などが初期の代表的なメーカーである。 PC/AT互換機メーカーやマザーボードメーカーは、多数の周辺ICをIBMと同様に購入していては、仕入れ価格すなわち原価の点でIBMより不利であったが、チップセットの導入により逆転した。このことは、PC/AT互換機の普及の加速に貢献した。なおチップセットは、複数の汎用LSIの組み合わせをPC専用の少数のチップのセットに統合したものであって、必ずしも2チップのセットとは限らない。また、チップセットが登場した初期には、単に統合ASICと呼ばれることが多く、PCやマザーボードのカタログでも、使用チップセットについて取り立てて強調するようなことはなかった。 現在のチップセットには高度なメモリインタフェース機能やAGPなどの制御回路が搭載されているため、コンピュータの性能に重大な影響を与える。すなわちマザーボードは特殊な場合を除き、CPUをターゲットに設計されるのではなく、直接の設計ターゲットはチップセットとなる。CPUの交換が想定されているシステムは珍しくないが、チップセットのみの交換を想定しているシステムは存在しない。 チップセットという言葉が広く認知され始めたのは、これがPCの機能や性能に重大な影響を与えるようになってからであり、具体的には、PCIバス規格に準じたインテルのi420TX(Saturn)やi430NX(Neptune)あたりからである。i430LX(Mercury)やi430FX(Triton)の時代になると、チップセットは現在よく見られる以下に述べるような2チップ構成となった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「チップセット」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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