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チョークバルブ : ウィキペディア日本語版
チョーク弁[ちょーくべん]

チョーク弁(チョークべん、)は、ガソリンエンジンとそれらをベースとしたエンジン〔旧式のLPGエンジンなど。〕において燃焼させる混合気空燃比を一時的に高めるように調節する装置のことである。単に「チョーク」とも呼ばれる。吸気中の燃料の比率を高めることで、エンジンの始動、特に冷間始動を容易にする。本来は特定の方式だけを指す言葉だったが、後に登場した他の方式も広義に「チョーク」と呼ばれるようになった。本頁では、こういった他の方式についても述べる。
なお、燃焼の仕組みが全く異なるディーゼルエンジンではチョーク弁は不要である〔ガソリンエンジンが均質化した混合気を点火プラグでガス爆発させるのに対し、ディーゼルエンジンがシリンダーに吸入するのは空気のみであり、吸気を絞ることで始動性が向上することはなく、かえって酸素不足で燃焼エネルギー(出力)自体を減らすことになる。〕。チョーク弁に代わって始動性を高める装備としては、副室式では燃料に直接触れるグロープラグを、直噴式では吸気温度を高めるエアインテークヒーターが備わっており〔いずれもセラミックやニクロムヒーターを用いた電熱式で、グロープラグが直噴式にを用いられる例もある。また、年間を通して気温の高い熱帯地域向けなどのエンジンではこれらの始動補助デバイスが省かれているものが多い。〕、いずれも始動後の回転維持や運転性確保はアクセルペダルやハンドスロットルノブで燃料を増量することで行う。
==概要==
広義で「チョーク」と呼ばれる各方式いずれでも、その機構はほとんどの場合で吸気装置、それもキャブレターに付属、あるいはその一部として存在する。狭義のチョーク弁の場合には目的を果たすためにエンジンが吸入する空気量を絞って少なくし、それが結果的に燃料の供給量を増大させるという方法を採っており、その様子から「息苦しくさせる」あるいは「(通路などを)ふさぐ」といった意味を持つ「チョーク(choke)」と呼ばれるようになった。広義でのチョークの目的はいずれの方式でも燃料の混合比率を高めることであり、具体的には燃料の供給量を増やすという方法で目的を果たしている。
チョーク弁以前にも冷間始動を容易にするための機構としてティクラーという方式が存在した。だがティクラーではチョーク弁に比べてその操作に一定の慣れを要するために、より操作の簡便なチョーク弁が普及していった。かつての自動車では、キャブレターを採用するほとんどの車種にこのチョーク弁の操作ノブが付いていたが、1970年代中頃からオートチョーク化が進み、運転者が直接操作することはなくなった。2000年以降は電子制御燃料噴射装置を採用する車がほとんどとなり、チョークという名そのものも忘れられている。なお、いまだキャブレターの採用率の高いオートバイや、農業機械発電機ポンプなどの動力に用いられる汎用エンジンなどは手動式や自動式のチョーク弁が付いている場合が多く、チョークの名は自動車ほど廃れていない。
広義のチョークでは、その構造や作動原理に違いはあっても、エンジン始動時に燃料供給量を増やすことで始動を容易にするための機構という面では同じである。そのために、いずれの方式にせよ慣習的に「チョーク」と呼ばれることが多い。ただし、チョーク弁以前の機構であるティクラーについては広義であってもチョークと呼ばれない。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「チョーク弁」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Choke valve 」があります。



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