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ティオ・ペペ : ウィキペディア日本語版
ゴンサレス・ビアス

ゴンサレス・ビアス()は、スペインアンダルシア州カディス県に拠点をおくシェリー生産者(ワイナリー)。代表銘柄の「ティオ・ペペ」で知られている。日本への輸入元はメルシャンキリン)であり、メルシャンはスペイン語姓であるGonzálezも英語読みしたゴンザレス・ビアスと表記している。
== 歴史 ==
1835年、23歳だったマヌエル・マリーア・ゴンサーレス・アンヘルによってワイナリーが設立された〔ゴンザレス・ビアス社の歴史 キリン〕。叔父のホセ・アンヘル・デ・ラ・ペーニャ(ペペ叔父さん)はシェリーの利き酒の名手であり、若い甥にワイナリー設立の助言を与えた〔。初年度の輸出量は10樽程度だったが、3年後には819樽にまで増加させた〔。19世紀半ばにはイギリス人ワイン販売代理業者のロバート・ブレイク・ビアスを共同経営者に迎え、ゴンサーレス家とビアス家の姓をとってゴンサレス・ビアス社となった。
ペペ叔父さんは辛口のフィノを愛好しており、自分が飲むためのフィノを自ら熟成し、樽には「ティオ・ペペ」(ペペ叔父さん専用樽)と書いていた〔。1844年に試験的に「ティオ・ペペ」をイギリスに出荷したところ大好評を得て、やがて世界的なベストセラーとなった。1844年に立ち上げられた「ティオ・ペペ」用のソレラ熟成システムは現在まで途切れることなく続いている。
19世紀半ばにはメディナセリ公爵から300年以上前に造られた桜材の樽を16個購入し、この桜材の樽はアモンティリャード「デル・デューク」のソレラ熟成システムの基となった。1862年には女王イサベル2世がヘレスを訪れ、ゴンサレス・ビアス社はスペイン王室御用達のシェリー生産者となった〔。1870年頃には樽数が10,000樽を超え、ヘレス最大のシェリー生産者としての地位を確立した〔。
などの第2世代は事業内容を拡張した。ゴンサーレス家は1988年に単独での支配権を得た。
ゴンサーレス家はシェリーの生産だけでなく、イギリスのスポーツであるポロの導入、スペイン初の芝面のテニスコート導入、植物栽培におけるスペイン初の電気照明と流水設備導入、スペイン初の鉄道敷設計画など、スペインの様々な工業・文化革新に関与した。1862年に女王イサベル2世がワイナリーを訪問した際には、ギュスターヴ・エッフェルの設計によるラ・コンチャ(貝殻)と呼ばれるワイナリーが建設された。このワイナリーの周囲にはすべての輸出国の国旗が入った樽が飾られている。
アンダルシア州カディス県サンルーカル・デ・バラメダにある本社は、キリスト教徒の大聖堂とイスラーム教徒のアルカサルに隣接している。1963年には本社の敷地内に、3階建てで28,000樽を収容する巨大な「ティオ・ペペ」用のワイナリーを建設した。このワイナリーの屋根には、稼働中のものとしては世界最大の風向計が立っている。1972年には80,000樽を収容する「ラス・コパス」と呼ばれる別のワイナリーを建設した。
1982年にはスペイン最高の赤ワイン産地であるリオハ地方に進出し、ボデガス・ベロニア社を傘下に収め、スティルワインの製造にも乗り出した〔。1997年にはボルドー・メドック地区シャトー・マルゴーで醸造責任者を務めていたポール・ポンタリエをボデガス・ベロニアの醸造アドバイザーに迎えた〔。1998年にはビアス家がゴンサレス・ビアス社の経営から撤退したが、社名は変更していない。
現在のゴンサレス・ビアス社はゴンサーレス家の第4世代と第5世代によって運営されており、などが経営を担っている〔。2004年にはグルーポ・ビップスと手を組み、マドリードに「ティオ・ペペ」という名称のレストランを8店舗開店させたが、2011年までには閉店している。2006年にはラ・マンチャ地方にワイナリーを設立し、最新設備でスティルワインの「アルトサーノ」シリーズ(赤/白)を生産している〔。2008年にはビーニャス・デル・ベロという著名なワイナリーを買収した。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ゴンサレス・ビアス」の詳細全文を読む



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