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ティル・オイレンシュピーゲル(Till Eulenspiegel)は、14世紀の北ドイツに実在したとされる、伝説の奇人(トリックスター)。様々ないたずらで人々を翻弄し、最期は病死、もしくは処刑されたとされる〔『名曲アルバム』:ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら/リヒャルト・シュトラウス 参考〕。 ==民衆本でのティル・オイレンシュピーゲル== 民衆本の中では、ティルはブラウンシュバイクに近いクナイトリンゲン村の生まれで、1350年にメルンでペストのために病死する。 かつて人々が口伝えに物語ってきた彼の生涯は、15世紀にドイツで民衆本「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」にまとめられ、出版された。このため彼の言動はエピソードごとに首尾一貫しておらず、様々な地方・語り手によって伝承されたエピソードの編纂であることがうかがえる。ここで繰り広げられる彼のいたずら話やとんち話は、日本でいうところの一休さんのように非常に有名である。教会や権力者をからかうティルの姿勢は、日本の吉四六さんにも似通っている。 ; 親方への仕返し : ティルは当時の下層民、遍歴職人や大道芸人、道化としてドイツ国中を渡り歩いて様々な都市に現れ、いろいろな職業に従事する。ティルに命令する尊大な親方の気取った言い回しや、ティルの使う低地ドイツ語との方言の行き違えを逆手に取った、ティルの仕返しが毎回の見所となっている。描写も詳細でリアルであり、伝承主体と思われる当時の遍歴職人たちの実体験に基づいていると見られている。親方にいじめられた遍歴職人達は、このティルの仕返しを方々で語り継いで、溜飲を下げていたのである。 : この原典は大評判となり、オランダ、フランス、イギリス、デンマーク、ポーランドでも翻訳され、「狐のラインケ」や「司祭アーミス」など他の民衆本からのとんち話が数編組み込まれていった。 ; 病死と死後 : ティルは様々ないたずらの旅を繰り広げた末に、病を得て終焉を迎えるが、最後の床でもいたずらを繰り返す。埋葬された際も、手違いで棺が垂直に墓穴に落ち、人々も「へそ曲がりな奴さんのことだ、死んでても立っていたいんだろう」と放置、墓標には「オイレンシュピーゲル、ここに“立つ”(「眠る」ではない)」と刻まれる、という落ちまで付いている。 ; タブルミーニングとスカトロジー : 全編にわたってダブル・ミーニングと、無邪気なスカトロジーが頻出するのが特徴で、様々なエピソードにいたずらの小道具として「大便」が登場し、挿絵にも頻繁に描かれている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ティル・オイレンシュピーゲル」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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