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テッポウムシ : ウィキペディア日本語版
カミキリムシ

カミキリムシ(髪切虫、天牛)は、コウチュウ目(鞘翅目)・カミキリムシ科(Cerambycidae)に分類される甲虫の総称。ごく一部の種を除き草食で、成虫の体は前後に細長く、触角、大顎が目立つ。
幼虫成虫という一生を送る完全変態昆虫である。
==概要==
全世界の熱帯から亜寒帯まで、陸上性の多年生植物がある所にはたいてい分布する。名前がついているものだけで約2万種、日本だけでも800種ほどが知られる。
成虫触角は長く、英名"Longhorn beetle(長いの甲虫)"または"Longicorn"もここに由来する。また、漢字表記の一つ「天牛」は中国語に由来し、長い触角をウシの角になぞらえたものである。触角の長さは種類やオスメスによって異なり、体長の半分くらいのものから体長の3倍以上に及ぶものまで変異に富む。同種では雄の方が長い。ただし、クロカミキリトラカミキリなどは触角がそれほど長くない。
カブトムシなどのようなは発達しないが、長くがっしりしている。脚先に並んだ付節はハート型で細かい毛が生えており、吸盤とは構造が違うがものにくっつくという点では同じである。この付節と鉤があるため、垂直に立つ木の幹も、ガラス面でも歩くことができる。
成虫は植物の花粉、葉や茎、の皮、樹液などを食べる。植物の丈夫な繊維や木部組織をかじりとるため、大顎もそれを動かす筋肉もよく発達する。うかつに手で掴むと大顎で咬みつかれることがあり、大型種では出血することもあるので注意が必要である。カミキリムシという呼び名も、の毛を切断するほど大顎の力が強いことに由来する(「噛み切り虫」からという説もある)。
また、カミキリムシを手でつかむと、ほとんどの種類が「キイキイ」という威嚇音を出す。多くは前胸と中胸をこすり合わせて発音するが、ノコギリカミキリ類など前翅の縁と後脚をこすり合わせて発音するものもいる。
幼虫の食草・食樹は種類によってだいたい決まっており、もそれらの植物に産卵される。幼虫は細長いイモムシ状で、体色はたいてい半透明の白色をしており、日本では俗にテッポウムシ(鉄砲虫)などと呼ばれる。一般には円筒形の体で、前胸だけが大きく、腹背にやや平たい。胸部の歩脚も腹部の疣足も外見上はない。草の茎や木の幹など、植物の組織内に喰いこんでトンネルを掘り進み、大顎で植物の組織を食べながら成長する。生きた植物に食いこむものと、枯れた植物に食いこむものとがいるが、大型の種類は生木に入りこみ、数年かけて成長することが多い。
充分に成長した幼虫は自分が作ったトンネル内でになる。蛹はほぼ成虫の形をしており、触角が渦巻き状に畳まれる。羽化した成虫は大顎でトンネルを掘り進み、植物の外へ姿を現すが、羽化した段階で越冬するものもいる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「カミキリムシ」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Longhorn beetle 」があります。



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