翻訳と辞書 |
ディズニーボム
ディズニーボム(Disney Bomb)又はディズニースウィッシュ(Disney Swish)〔は、第二次世界大戦中にイギリス海軍が開発した補助ロケット推進式地中貫通爆弾である。従来の通常爆弾では効果の無い、Uボート・ブンカーのようなコンクリートで強化された目標を貫くための兵器であった。エドワード・テレル海軍大佐により生み出されたこの徹甲爆弾は、落下速度を増速するための固体燃料ロケットが装着された結果、着弾時の速度はにもなり、これにより起爆する前に厚さの強固なコンクリートを貫通する能力を持っていた。 ディズニーボムは、1945年2月から4月までヨーロッパにおいてアメリカ陸軍航空軍(USAAF)が限定的に使用した。技術的には成功作であったにもかかわらず、この爆弾が配備されたのは戦争の末期であり、ドイツに対する連合国軍の爆撃ではほとんど効果を挙げなかった。 == 背景 == 第二次世界大戦中にイギリス空軍は、非常に強固な防御を施された目標に対して、従来の高性能爆弾による有効打撃を与えるために5-トンのトールボーイと10-トンのグランドスラムという2種類の大型「地震」爆弾を採用した。バーンズ・ウォリスにより設計されたこれらの巨大な兵器は、目標の近辺に着弾し、地中深くに貫入して起爆、地中を伝わる衝撃波により経済的に修理不能なほどの構造的損害を与えるものだった。運用では目標を狙って投下され、これが直撃した場合は相当な厚さのコンクリートを貫通する能力を持っていたが、第二次世界大戦時の爆撃照準器の精度の限界から命中精度は低く〔目標の下、または近辺の土壌や岩盤に潜り込んだ後に爆発し、エネルギーが構造物に伝わるか、(洞窟や弾孔)内部で発生したcamoufletにより目標を破壊した。〕〔英空軍は1943年に改良型の精密爆撃照準器を実戦に投入し、英第617飛行隊は1943年12月17/18日にアブヴィルのV1飛行爆弾発射基地への攻撃での精密爆撃を実施した。精密爆撃と自動安定爆撃照準器を参照。〕、改善を望んだバーンズ・ウォリスにとり高精度の命中の確立というものは主な目的ではなかった。 対照的にディズニーボムは、当初から強固なブンカーのコンクリート製の屋根に直撃貫通することを目指して設計された。そのために弾頭は通常と異なる分厚い鋼板製外殻で覆われ、内蔵されている炸薬は比較的少量であった〔ディズニーボムの炸薬は爆弾重量の11%を占めていたが、通常の爆弾のそれは爆弾重量の約50%であった(通常爆弾を参照)〕。その形状は通常の航空機搭載爆弾よりもかなり細く、落下時には集束されたブースターロケットにより加速、自由落下で到達する着弾速度よりも遥かに高速度で目標に激突した。これらの特徴は、ニュートン法則の推定埋没深度および、最も大きな貫通力は発射弾の密度、長さ、細さ(例えば大きなSD値を持つ物体)が高速度で激突して生み出されるということを述べた、「ヤング方程式」(''Young's equation'')として知られる経験的な設計方程式に一致する。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ディズニーボム」の詳細全文を読む
スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース |
Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.
|
|