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ディフィートデバイス(Defeat device)とは、内燃機関を有する自動車において、有害な排出物質を試験の時だけ減らす装置を指す。日本では3.5t以上のディーゼル自動車に対しては違法であり、アメリカおよびEUではそのような限定条件なしで全て違法である〔FAQ - Air pollutant emissions standards ''European Commission'', 25 September 2015. Quote: Article 5 (2) of Euro 6 Regulation 715/2007/EC prohibits the use of defeat devices. Article 3(10) defines defeat device as any element of design which senses temperature, vehicle speed, engine speed (RPM), transmission gear, manifold vacuum or any other parameter for the purpose of activating, modulating, delaying or deactivating the operation of any part of the emission control system, that reduces the effectiveness of the emission control system under conditions which may reasonably be expected to be encountered in normal vehicle operation and use.〕〔REGULATION (EC) No 715/2007 OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 20 June 2007. Articles 3, 5, 13 on pages 5-9〕。 製品にあらかじめ搭載された以外に、有害な排出物質を増やす後付け装置もまたディフィートデバイスと呼ばれる。また対象は必ずしもハードウェアによるものとは限らず、ソフトウェアによって同種の制御を行うものも含まれる〔。 == ディーゼル自動車におけるディフィートデバイス == 多くの場合、自動車から排出される有害物質の量は、燃費、出力、排出抑制装置の寿命などとのトレードオフの関係にある。特にディーゼル自動車においては、酸素過多の状態(リーンバーン)で動作することにより高燃費を達成する特質上、光化学スモッグなど健康被害につながる窒素酸化物(NOx)の排出が多いという本質的問題がある。 この問題を解決するため、触媒を用いた浄化装置、あるいはエンジン出力を利用した浄化装置などが車内に備えられる。だが前者には触媒寿命の問題、後者には自動車の馬力および燃費の悪化の問題がある。したがって、排出ガス試験の時だけ浄化装置をフル稼働させることで、有害物質排出量以外の車の特性を向上させることができる。 多くの国では、有害物質規制のため車種ごとに試験が課されている。長年にわたり複数車種を同一条件で公正に試験する必要上、室内でローラーに載せて一定走行条件で試験することが一般的である。また、自動車に搭載して実走行時の排出ガスを測定できるポータブル測定装置の未熟により、実走行時の試験は限定的であった。このため、室内での走行試験であることを検知し、自動的に浄化装置をフル稼働して環境基準を達成することが可能である。試験以外では浄化装置を部分的な稼働に留めることで、環境基準には違反しながらも他の車の特性が改善されるため、自動車会社のビジネスにとって魅力的な行動となる。これは一部の自動車所有者の利害にも一致する。したがって多くの国では健康被害を抑えるため、ディフィートデバイスは禁止されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ディフィートデバイス」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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