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ディヴェルティメント()は、18世紀中頃に現れた器楽組曲である。語源はイタリア語の「divertire(楽しい、面白い、気晴らし)」に持ち、明るく軽妙で楽しく、深刻さや暗い雰囲気は避けた曲風である。フランス語ではディヴェルティスマン()。日本語では嬉遊曲(喜遊曲、きゆうきょく)とも訳される。 貴族の食卓・娯楽・社交・祝賀などの場で演奏され、楽器編成は特に指定はなく、三重奏、四重奏、弦楽合奏、管楽合奏、小規模のオーケストラなど様々である。また形式・楽章数ともに自由である。演奏の目的を同じとするセレナーデと似ているが、セレナーデが屋外での演奏用であるのに対し、ディヴェルティメントは室内での演奏用だとされる。 18世紀にハイドンやモーツァルトらによって多くの作品が書かれ、19世紀にはいったん廃れたが、20世紀に復活し、バルトークらによって作品が残されている。 ==ディヴェルティメントの例== *ハイドン *室内楽曲161曲 *ピアノ曲5曲(うち4曲はソナタと相違ない) *ミヒャエル・ハイドン *室内楽形式5曲 *モーツァルト *:KV番号、調性、楽章数、(楽器編成)、作曲年月、作曲地 *K113 変ホ長調 - 4楽章 (2Cl,2Hr,2Vn,Va,BC) 1771.11、ミラノ *K136 ニ長調 - 3楽章 (2Vn,Va,BC) 1772.1-3、ザルツブルク *K.137 変ロ長調 - 3楽章 (2Vn,Va,BC) 1772.1-3、ザルツブルク *K.138 ヘ長調 - 3楽章 (2Vn,Va,BC) 1772.1-3、ザルツブルク(以上の3曲は実質的にはディヴェルティメントではなく、シンフォニア) *K131 ニ長調 - 7楽章 (Fl,Ob,Fg,4Hr,2Vn,2Va,BC) 1772.6、ザルツブルク *K186 変ロ長調 - 5楽章 (2Ob,2Cl,2E-hr,2Hr,2Fg)1773.3、ミラノ *K166 変ホ長調 - 5楽章 (2Ob,2Cl,2E-hr,2Hr,2Fg) 1773.3.24、ザルツブルク *K205 ニ長調 - 5楽章 (2Hr,Fg,Vn,Va,BC) 1773.7、ザルツブルク *K213 ヘ長調 - 4楽章 (2Ob,2Hr,2Fg) 1775.7、ザルツブルク *K240 変ロ長調 - 4楽章 (2Ob,2Hr,2Fg) 1776.1、ザルツブルク *K252 変ホ長調 - 4楽章 (2Ob,2Hr,2Fg) 1776.1、ザルツブルク *K188 ハ長調 - 6楽章 (2Fl,5Tp,Tim) 1776初、ザルツブルク *K247 ヘ長調 - 6楽章 (2Hr,2Vn,Va,BC) 1776.6、ザルツブルク *K251 ニ長調 - 6楽章 (Ob,2Hr,2Vn,Va,BC) 1776.7、ザルツブルク *K270 変ロ長調 - 4楽章 (2Ob,2Hr,2Fg) 1777.1、ザルツブルク *K289 変ホ長調 - 4楽章 (2Ob,2Hr,2Fg) 1777初夏、ザルツブルク *K287 変ロ長調 - 6楽章 (2Hr,2Vn,Va,BC) 1777.6、ザルツブルク *K334 ニ長調 - 6楽章 (2Hr,2Vn,Va,BC) 1779-80、ザルツブルク *K522 ヘ長調(音楽の冗談) - 4楽章 (2Hr,2Vn,Va,BC) 1787.6.14、ウィーン *K563 変ホ長調 - 6楽章 (Vn,Va,Vc) 1788.9、ウィーン *シューベルト:ハンガリー風ディヴェルティメント(3楽章、1824年、ピアノ連弾) *フェルナンド・ソル:6つのディヴェルティメントOp.1、Op.2(ギター) *ルーセル:ディヴェルティスマン(単一楽章、1906年) *イベール:室内管弦楽のためのディヴェルティスマン(6楽章、1930年) *ストラヴィンスキー:『妖精の接吻』からのディヴェルティメント(6楽章、1934年/1949年改訂) *バルトーク:弦楽のためのディヴェルティメント(3楽章、1936年) *パーシケッティ:吹奏楽のためのディヴェルティメント(6楽章、1951年) *バーンスタイン:管弦楽のためのディヴェルティメント(8楽章、1980年) *ギーゼキング:クラリネットと弦楽四重奏のためのディヴェルティメント(年代不明) *鈴木輝昭:ディヴェルティメント(チェロ合奏のための)(2011年) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ディヴェルティメント」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Divertimento 」があります。 スポンサード リンク
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