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ディンゴ・ハイブリッド : ウィキペディア日本語版 | ディンゴ・ハイブリッド
ディンゴ・ハイブリッド(英:Dingo hybrids)は、オーストラリアに分布している、ディンゴと他種のイエイヌの雑種犬のことである。オーストラリアでは単にワイルド・ドッグ(英:wild dog=野良犬)と呼ばれることもある。
== 概念など == もともとディンゴは、アボリジニーとともにオーストラリア大陸へ渡ってきて土着化し成り立った非常に古い犬種である。以後ディンゴは長らく純血を保ってきたが、ヨーロッパから植民が開始され、先住民族であるアボリジニーの生活が破壊されたことによりその状況は一変した。海外から持ち込まれた洋犬が逃げ出したり放棄されたことにより野良犬となり、その野良犬とディンゴが交雑する機会が頻発するようになった。そうした異種交配によって誕生したのがディンゴ・ハイブリッドである。 ディンゴの雑種化は深刻で、現在オーストラリアの多くの地域でディンゴ・ハイブリッドが生息している。通常の純血のディンゴに比べて適応性が高く、生息域を更に広げつつある。尚、内陸部や大きな都市の近辺のディンゴは大半がハイブリッドであり、ほぼ純粋なまま存在している地域は、フレーザー島など非常に限られた地域にとどまっている。 イエイヌもディンゴも事実上ほぼ同じ生物であることから、ディンゴ・ハイブリッドは正常な繁殖能力を有する。このため交雑は一世代だけにとどまらず、更にディンゴと混血することが多い。このためこのまま本種を放置していれば純粋なディンゴが絶滅してしまうことが危惧されている。これを防止するため一部の州では野生のディンゴ・ハイブリッドを駆除し殺処分することが認可されているが、オーストラリアの動物愛護団体や愛犬家から強く反対され、他にディンゴの純血性を守る方法があるのではないかと訴えられ、批判されている。事実、雑種化は年々進行しており、数頭を罠にかけて駆除しただけでは雑種化の進行を食い止める効果が非常に薄いことが専門家から指摘されている。このため、純粋なディンゴを外部から守る保護とあわせてその地域にいるハイブリッドを駆除したり、捕獲したハイブリッドを用いて戻し交配を行って復元を試みるといった対策が考案されている。後者の策には莫大な費用がかかるが、これにより命を犠牲にすることなくディンゴの純血制を復活させることが出来るのではないかと近年愛好家の間で期待されている。しかし、オーストラリア国内でのディンゴ・ハイブリッドの総数は数100万頭にも上るのではないかとも言われており、これらすべてを保護・飼育するのは極めて難しいという意見も根強い。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ディンゴ・ハイブリッド」の詳細全文を読む
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