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デバイ・ワラー因子 : ウィキペディア日本語版
デバイ‐ワラー因子[でばい=わらーいんし]

デバイ=ワラー因子(デバイ=ワラーいんし、)とは、熱振動によるX線中性子散乱強度の減衰を表す因子のこと。
== 概要 ==
結晶では原子の熱振動によってその電子は静止原子より広い空間に広がって分布する。X線回折などにおいて、回折角の大きい反射では同一の原子内でも各電子の散乱X線の位相のずれが大きくなり、回折強度が減少する。静止原子の構造因子 を用いると、実在の原子構造因子は よりも小さくなり、 という形で表される。ここで または をデバイ‐ワラー因子または温度因子と呼ぶ。
X線散乱では であり、反射面に垂直な方向の原子の平均二乗変位 を用いると、 となる。この のことを温度因子(またはB因子)と呼ぶことも多い。絶対零度でも零点振動があるので、 とはならない。一般に結晶を構成する独立な原子それぞれに別々の温度因子を与える必要がある。また熱振動は一般には異方性を持つので、その効果を補正することが必要である。
無機化合物では0.5~3 Å有機化合物では2~8 Å のことが多い。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「デバイ‐ワラー因子」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Debye-Waller factor 」があります。



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