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デュラムコムギ(英: DurumまたはDurum wheat、学名: ''Triticum durum'')またはマカロニコムギは、今日広く栽培されている商業的に重要であるコムギの中で唯一の4倍体種である。乾燥、高温気候に適するため、地中海沿岸や北アフリカ、中央アジア、アメリカ大陸などで栽培されている。 デュラムは、ラテン語「durum 硬い」の英語読みで、製造工程では、セモリナという黄色い胚乳の粗粒として取り出し、主にマカロニ、スパゲッティ等の原材料としている。デュラムコムギは、タンパク質を多く含むが、粘り気が少ないため、デュラムコムギパンといった場合、パンコムギに適量のデュラムコムギを添加するのが普通である。 イタリアにおいては法律〔DECRETO DEL PRESIDENTE DELLA REPUBBLICA 9 febbraio 2001, n. 187 〕によって、乾燥パスタはデュラムセモリナ粉と水で作ることをパスタ生産者に義務付けている。生パスタはフツウコムギの小麦粉を使って作られることが多い。 ==分類== ゲノムの構成はAABBの4倍体 (2n=28) である。紀元前7000年頃、Aゲノムをもつ野生一粒系(ヒトツブ)コムギと、Bゲノムをもつクサビコムギとの交雑から生じた2粒コムギ(エンマーコムギ、''T. dicoccum'')を選別、栽培したものがデュラムコムギであると考えられている〔>〕。 コムギ属のゲノムは、14本、28本、42本など倍数性があるが、これは、コムギの研究を通じてゲノム説を提唱した木原均の師にあたる北海道帝国大学(現 北海道大学)農学部の坂村徹が発見した。木原は、坂村の研究を引き継ぎ、コムギでは7本の染色体が一組になって、最低の遺伝的機能を果たしていると考えた。彼は、この一組の染色体に対し、H.Winklerが、1920年に用いた「ゲノム」という言葉を当てはめ、ゲノム説を提唱した。デュラムコムギは、AABBの異なったゲノムから成り立つ異質倍数体であるが、減数分裂時、染色体同士は対合せず、一価染色体のままであることから、染色体21本のパンコムギが、14本のデュラムコムギと7本の染色体を持つ他の種との交配によって生じたと1944年に仮定した。その後、アフガニスタン、イランなどで学術探検を行い、ついに野生種タルホコムギを発見し、ゲノム分析の有用性を実証したのだった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「デュラムコムギ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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