翻訳と辞書
Words near each other
・ デントコーン
・ デントヘルス
・ デントライン・アム・フォルスト
・ デントリペア
・ デントン
・ デントン (テキサス州)
・ デントン郡
・ デントン郡 (テキサス州)
・ デント郡 (ミズーリ州)
・ デンドライト
デンドリマー
・ デンドレルペトン
・ デンドロキラム・ウェンゼリー
・ デンドロキラム・グルマケウム
・ デンドロキラム属
・ デンドログラム
・ デンドロビウム
・ デンドロビウム・アフィルム
・ デンドロビウム・カナリキュラタム
・ デンドロビウム・キンギアナム


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

デンドリマー : ウィキペディア日本語版
デンドリマー

デンドリマー (dendrimer) は、中心から規則的に分枝した構造を持つ樹状高分子〔Vögtle, Fritz / Richardt, Gabriele / Werner, Nicole ''Dendrimer Chemistry Concepts, Syntheses, Properties, Applications'' 2009 ISBN 3-527-32066-0〕。ギリシャ語で「木」を意味する デンドロン (δένδρον, dendron) から命名された。
デンドリマーは、コア (core) と呼ばれる中心分子と、デンドロン (dendron) と呼ばれる側鎖部分から構成される。また、デンドロン部分の分岐回数を世代 (generation) と言い表す。デンドリマーとデンドロンが同じ意味で使われる場合もある〔。
アルボロール、カスケード分子とも呼ばれたが、今ではデンドリマーの語が国際的に受け入れられている。
一般に高分子はある程度の分子量分布を持つが、高世代のデンドリマーは、分子量数万に達するもののほとんど単一分子量であるという際立った特徴を持つ。
また、コアはデンドロンによって覆われており、外界と遮断された環境にあるために、特異な発光挙動や反応性を示すことが見出され、新しい機能物質として期待されている。他の高分子と比べて合成が極めて困難であるため、実用化には至っていない。
ポリアミドアミン構造を持つPAMAMデンドリマーなどは、試薬会社から市販もされている。
==歴史==
分岐を持つ分子が最初に合成されたのは1978年のことで、ドイツのフリッツ・ヴォーグル(Fritz Vögtle)によるものだった。これは分岐が1段階のものであり、厳密にはデンドリマーではない。
1981年、アライド・コーポレーションのデンケウォルター(R.G. Denkewalter)らは、不規則ながらも複数段階の分岐構造を持つ高分子を合成した〔 Denkewalter, Robert G., Kolc, Jaroslav, Lukasavage, William J.〕。これも、分岐が不規則なため、厳密にはデンドリマーではない。
ダウ・ケミカルのドナルド・トマリア(Donald Tomalia)は1984年、京都のSPSJ International Polymer Conferenceにて、規則的に複数段階に分岐した高分子〔の合成法について初めて発表した〔。さらに1985年には特許と論文も発表された。デンドリマーという言葉が初めて使われたのも、1985年のトマリアの論文である〔。トマリアの方法は、中心から外側に向かって枝を伸ばしていくというものだったので、この方法は「ダイバージェント法」と呼ばれる〔。
同じ1985年、エモリー大学のジョージ・ニューコム(George R. Newkome)も規則的に複数段階に分岐した高分子を合成している。
1990年コーネル大学ジャン・フレシェは、外側から内側に枝を伸ばしていき、最後にコアに接着させて球状高分子にするという合成法、「コンバージェント法」を発表している。
その後、デンドリマーに関する報告は急増すると、1985年には2件だったものが、1997年には474件になっている〔。2005年の時点で発表された科学論文または特許は5000件を超える。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「デンドリマー」の詳細全文を読む



スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.