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トカイのワイン産地の歴史的・文化的景観(トカイのワインさんちのれきしてき・ぶんかてきけいかん)は、ハンガリーの世界遺産の一つである。トカイ地方(Tokaj-Hegyalja ; Hegyaljaは元来山麓の小丘を意味する)は、今日のハンガリー北東部に位置する歴史的なワイン産地で、28の有名な村と7000ヘクタールのブドウ畑から成る。ブドウ畑のうち、現在も栽培が行われているのはおよそ5000ヘクタールである。トカイのワイン地方は、ブドウ畑の文化的景観がユネスコの世界遺産に登録されている珍しい例の一つではあるが、世界遺産に登録される遥か以前より、貴腐ワインの名産地としてその名を知られていた。2005年2月20日には、TBS系の紀行・ドキュメンタリー番組『THE世界遺産』第435回放送分にて「トカイ地方のワイン産地の文化的景観(ハンガリー)」のサブタイトルで特集・放送された〔トカイ地方のワイン産地の文化的景観(ハンガリー) TBS「THE文化遺産」第435回 2005年2月20日放送〕。 == 特色 == トカイワインの産地が独特なのは、以下のような特色によるものである。 ; 土壌と微気候 : トカイの土壌は火山性の底土である粘土質の土壌や黄土に覆われている。微気候は南向きの斜面とそれへの日照、ティサ川・ボドログ川の近くに位置していることなどの要因によって決まっており、ブドウをかさかさにするハイイロカビの繁殖にはもってこいである。 ; ブドウの原産種の多様性 : Furmint や Hárslevelüといった品種が、イエロー・マスカット(Sárgamuskotály)やZétaとともに栽培されているが、トカイ地方ではこれらの品種の栽培しか公認されていない。 ; 貯蔵室 : 西暦1400年から1600年の頃に、固い岩盤を繰りぬいて、巨大な貯蔵設備群が設置された。地下貯蔵庫内は常に摂氏10-12度くらいの温度である。貯蔵庫内は湿度85-90%に保たれているため、カビで覆われている。こうしたカビに適した湿度が、貴腐ワインであるトカイワインの熟成にとっても理想的な条件なのである。 ; 呼称のシステム : 1757年の王令でトカイに生産地区が設定された。これは世界で最初のワインの原産地名称保護制度(appellation)のシステムである。ブドウ畑を等級で分類することは1730年に始まり、1765年と1772年の国勢調査で完成した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「トカイのワイン産地の歴史的・文化的景観」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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