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トビムシ目(粘管目、Collembola)は、節足動物門六脚上綱内顎綱 (Entognatha) を構成する3目のうち1目である。内顎綱は昆虫に近縁でより原始的なグループで、ほかにコムシ目とカマアシムシ目が含まれ、昆虫とあわせて六脚類をなす。 特徴的な跳躍器でよく飛び跳ねるものが多いので、この名がある。森林土壌中では1m2あたり数万個体と極めて高い密度に達する。 基本的な構造には昆虫と共通する点が多いが、跳躍器や粘管などの独特の器官をもち、触角に筋肉があるなど特異な特徴をもつ。 == 形態 == 様々な形のものがあり、例外は多いが、一般には一対の長い触角を持ち、体は細長く、胸部3節には各1対、計3対の足がある。これらの点は、昆虫の標準的な構造である。特殊な点としては、通常の昆虫では腹部に11の体節があるのに対して、トビムシでは6節しかない。また腹部下面にはこの目の旧名の元になった腹管(粘管)という管状の器官がある。これは体内の浸透圧を調整する機能を持つといわれている。また、腹部第4節には2又になった棒状の器官がある。この器官は叉状器(または跳躍器)と呼ばれ、普段は腹部下面に寄せられ、腹面にある保持器によって引っかけられている。捕食者などに遭遇した際にはこの叉状器が筋肉の収縮により後方へと勢いよく振り出され、大きくジャンプして逃げることができる。 世界で3,000種以上記載されており、日本国内では14科103属約360種が報告されている。分類は形態的特長によって行われている。 さまざまな姿のものがあるが、代表的なものは、次のような形のものである。 *ツチトビムシ科は温帯林の有機物堆積層において最も一般的なグループで、種数も多い。又状器の長さや体色などは種により様々である。 *トゲトビムシ科やアヤトビムシ科は体長と同じくらいの触角と又状器を持ち、活発に跳ね回る。表層性または樹上性のものが多い。 *シロトビムシ科は眼が退化しており、多く場合、色素と又状器をもたず土壌中での生活に適応している。体表に擬小眼とよばれる防御物質の分泌腺を多数持つ。 *ムラサキトビムシ科は、太めの体に短い触角と足、又状器をもつ。体色は紫から褐色。高い集合性を持つ。キノコを食害することがある。 *イボトビムシ科は楕円形で偏平、触角、足は短く、体中にイボ状の突起がある。色が派手なものも多い。 *マルトビムシ科は、丸っこい頭と膨らんだ腹部をやや幅の狭い胸部でつないだ形で、触角、足、又状器は長め。体節が違いに融合している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「トビムシ目」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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