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『トムとジェリーの大冒険』(トムとジェリーのだいぼうけん、原題: Tom and Jerry: The Movie)は、1992年に公開された、アメリカのミュージカル・冒険・アニメ映画である。 が制作、編集、監督を務めた。ターナー・ピクチャーズによってドイツで公開され、 アメリカ合衆国ではミラマックスとライヴ・エンターテイメントによって公開された。 猫とネズミの二人組、 トムとジェリー〔が主役の長編映画であり、また彼らの作品の中で初めてかつ唯一広く劇場版で公開された映画である。また同時にこの作品は二匹にとって映画の世界への34年ぶりの復帰も兼ねていた。初期のいくつかの作品のように、本作ではトムとジェリーは人間の言葉で会話をするが、このコンセプトは後の映画やテレビ番組には引き継がれていない。本作は、協力者のウィリアム・ハンナとともに「トムとジェリーの大冒険」を作った人物であるジョセフ・バーベラがクリエイティブコンサルタントをつとめた映画であり〔、1996年に亡くなったデイナ・ヒルの生前の最後の作品となった。 この映画は、350万ドルの製作費に対し360万ドルしか売り上げられなかったなど興行収入の面では失敗に終わった。 ==ストーリー== この映画はトムと飼い主が新しい家に引っ越しをしようとするところから始まる。トムは車の後部座席で居眠りしていたが、ジェリーに気付き追いかけまわした。そうしているうちに飼い主は車を出してしまい、トムとジェリーは置き去りにされてしまった。その翌日、クレーンによって家がとりこわされている真っ最中にトムは一度家からにげだしたもののジェリーを助けるために引き返すのだった。 家をなくした二匹は食料と住まいを求めてさまよい歩いたが、何も見つけることはできない。その夜、彼らは小道で野良犬のパグシーとその友達の蚤のフランキーに出会う。トムとジェリーはそれぞれ自己紹介をしたあとで、お互いが喋れたことに驚きを感じるのだった。 パグシーとフランキーはその街道で独力で生き残ることは難しいので、二匹に仲間になることを勧めた。二匹はその案に賛成し、彼らの場所で「ごちそう」を食べることにも全員が賛同した。そしてパグシーはゴミ箱の中の残飯を集めて「ビュッフェ式の食事」を作った。パグシーの皿が満杯になった時、二人の野犬捕獲人が彼とフランキーを捕まえトラックに閉じ込めた。 パグシーとフランキーが連れ去られてしまった後で、トムは路地に住み、彼を追いかける、歌う卑劣な猫の一団に襲われたがジェリーがそれを助けてくれたのだった。 トムとジェリーはそれからロビン・スターリングという名の少女に会った。彼女の母親は彼女が幼い時に亡くなり、父親はチベットに出かけ、雪崩に巻き込まれ亡くなったとその時考えられていていたので、彼女は保護者として性格の悪い叔母のプリスティン・フィッグと二人で取り残されているのだった。ロビンの寝室を屋根裏に移させ、フィッグは下劣な弁護士のリックブートとロビン一家の財産を盗みに取り掛かってきたのだった。ロビンは首飾りのロケットが窓から投げ捨てられた後でそこから逃げ出してきたのだった。そのようにして彼女は家出をし始めたのだ。家がないことがどんなものかを知っているトムとジェリーはフィッグおばさんも心の底ではロビンを心配していると確信していたので、彼女を家に帰るように説得しようとした。 実際にフィッグは家で泣いているのだった。ロビンを失ったことにおびえ、彼女を安全に探し出すことを地元警察官に懇願するのだった。しかし、いったん警官が帰ってしまうと、冷酷でお金に飢えた自分勝手な人柄に戻った。そののち、その警官はロビン、トム、ジェリーを見つけフィッグの家に届けた。はじめ、フィッグはトムとジェリーが滞在することを許可するのだったが、フィッグの犬のファーディナンドとの追いかけっこによってキッチンを大破してしまったためフィッグはトムとジェリーを、実はフランキーたちを捕まえた二人の野犬捕獲人の雇用者であり、虐待的な牢屋のような収容所の所有者でもあるドクター・アップルチークが経営する動物収容施設に無理やり連れていくのだった。トムとジェリーはそこでパグシーとフランキーに再会した。そしてドルーピーらいくらかの他の犬からの助けをかり、彼らは脱出をやってのけた。 そうしている一方で、ロビンはトムとジェリーに再会し、彼女の父親が生きているということを電報を通じて知った。そして彼を探すために二匹とともにその家から脱出するのだったが、フィッグがこの脱走をみつけてしまうのだった。ロビンの安全が明らかになるまでロビンの父親がフィッグへの資金提供を打ち切ってしまうため、フィッグはリックブートの案でロビンに100万ドルの懸賞金をかけて探すことにした。だが、見つけた人に実際に懸賞金を払うつもりはなかった。その一方でロビンの父ピーター・スターリングは娘が逃げたことを知らされすぐに彼女を探すためアメリカに引き返すのだった。 トムとジェリーはロビンとともに乗っていたいかだが船に衝突した後、結局ロビンと離れてしまった。ロビンは地元の遊園地の所有者、キディ船長と彼の喋る手踊り人形のスクウォークによって発見され助けられる。しかし、キディとスクウォークはその賞金についての広告でロビンの顔を見たためフィッグに電話をし、ロビンがいることを伝えた。その後、彼らは彼女を捕まえ解放に伴う身代金を手にする計画を立て、観覧車でロビンを罠にかけ捕まえた。アップルチークはその電話の会話を盗み聞きし、一番初めにロビンのもとにつくためのレースが始まった。しかし、トラックで追いかけている途中、アップルチークが二人の野良犬捕獲者にロビンにかけられている賞金を分け与えることを拒んだので、彼らはアップルチークをトラックから放り出した。トムとジェリーはちょうどフィッグとアップルチークが到着したときに遊園地でロビンを見つけた。トムとジェリーとロビンは野良犬捕獲者を観覧車で罠にかけてとらえ、蒸気船に乗ってフィッグ、アップルチーク、リックブット、キディに追われながら川を上って逃げた。結局フィッグとリックブートの乗っていた1955年度版のオースチン・ヒーリー100は農場の泥にはまってしまった。彼らはいったん抜け出したものの、ペットのファーディナンドのローラーボードをひきずりながら橋を渡ったことで橋が壊れたので、彼らのうしろから車で追っていたアップルチークは川に落ち、ボートでロビンたちを追いかける途中で橋の下を通過していたキディとスクウォークに衝突した。 ついにトムとジェリーとロビンはロビンとその父のものである古い夏用の丸木小屋についた。しかし、彼らは無理やりロビンを家につれ帰そうとするフィッグとリックブートの待ち伏せを受ける。抗うロビンとロビンを強引に連れ帰そうとするフィッグとリックブートの争いの結果、石油ランプが壊れ、家が燃え始め、山火事のようになってしまう。トムとジェリーは屋根の上に登りロープでロビンを家の中から救出する。そしてフィッグとリックブートは彼ら自身につまずきよろめいて、ファーディナンドが運転するボートの見晴らし台に堕ちる形で小屋から離れていった。 最終的にその小屋が焼け落ちるとき、ロビンの父親がヘリコプターで到着し、ロビンを救助した。しかしその小屋が倒壊する前にトムとジェリーのところに行くことはできなかった。しかし二匹はその倒壊から生き残り、ロビンとその父親とともに彼らの家に住むために連れていってもらえた。パグシーとフランキーはこの出来事を新聞で見て最終的にトムとジェリーが友情を見いだしたことに満足した。しかし家ではロビンとピーターが見えなくなるとすぐに、トムとジェリーは彼らの友情ができすぎたものであることを喜びのうちに気づきながら、彼らは昔のような戯れを再開するのだった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「トムとジェリーの大冒険」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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