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トロンボポエチン : ウィキペディア日本語版
トロンボポエチン

トロンボポエチン(英:Thrombopoietin、TPO)は血小板前駆細胞の増殖および分化に関与する造血因子である。血小板は造血幹細胞から巨核球を経て分化し、血液凝固において重要な役割を果たすと共に、種々の免疫反応にも関与している。巨核球や血小板の形成には種々のサイトカインが関与しており、インターロイキン(IL)-1、-3、-4、-6、-7、-11やGM-CSFエリスロポエチン(EPO)、幹細胞因子(SCF)によって促進される。TPOは血小板の形成を促進する活性を有することが1958年から示唆されており〔KELEMEN E, CSERHATI I and TANOS B.(1958)"Demonstration and some properties of human thrombopoietin in thrombocythaemic sera."''Acta.Haematol.'' 20,350-5. PMID 13616931〕、精製・同定を試みるも成功するには至らなかったが、1994年にはじめてTPOのクローニングが行われた。その後、TPOは巨核球コロニーの形成を抑制する機能を持つc-mplのリガンドであることが解明され、造血系細胞の産生に重要な因子であると考えられている。
== 遺伝子および分子構造 ==
ヒトTPO遺伝子は7つのエキソンと6つのイントロンを有しており、染色体上では3q27-28に位置している。TPO遺伝子は353アミノ酸残基のタンパク質をコードするが、21残基がシグナル配列であり、除去された後に60-70kDaの糖タンパク質として分泌される。TPO分子のアミノ基末端側領域は種をこえてよく保存されており、EPOと23%(ヒト)の相同性を有している。一方で、カルボキシル基側の領域は種間で多様性に富む。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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