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トーマス・マコーリー
トーマス・マコーリー(Thomas Babington Babbington Macaulay, 1st Baron Macaulay、1800年10月25日 - 1859年12月28日)は、イギリスの歴史家、詩人ならびに政治家。エディンバラ選出のホイッグ党下院議員だった。ホイッグ史観(現在の視点から過去を判断する態度)を代表する人物であり、マコーリー著『イングランド史』は、今でもイギリスで最も有名な歴史書のひとつである。 == 時代背景 ==
イギリスの19世紀は繁栄の世紀だった。鉄道が国中にはりめぐらされ、港には世界中から品物が届き、富をたくわえた商人たちの間では、貴族風の生活が流行した。19世紀後半のことだが、貧しい労働者でも茶を飲めた〔荒井、p. 78。〕のは当時イギリスだけである。ヨーロッパ中が革命の災禍で流血をみるなか、イギリスだけは植民地争奪戦に勝ち抜き、世界帝国をうち立てていた。世にいうヴィクトリア朝時代である。しかしこのことは、末端の民衆が幸せだったことを意味しない。 工場では労働者が必要になり、地方から都市に多くの人びとが移り住んだ。かれらが住まう安アパートは家族全員で一部屋であり〔ロンドンのある地区を調査したところ、1465世帯中929世帯が1部屋のみのアパートに住んでいた。「かれらにとってその1部屋はベッドルームであり、キッチンであり、洗濯所であり、居間でありダイニングルーム」という状態だった。Chadwick, p. 31.〕、下水道もなく街路は糞便・汚物にまみれていた。こうした家に住みながら、煤煙やすすの充満する工場などで1日14-15時間、彼らは働いていた〔村岡、p. 94。〕。結果かれらは早死にする傾向にあり、死亡者の平均年齢は15-19歳だった〔村岡、p. 96、および村岡・木畑、p. 103〕。労働者や彼らに同調した者たちは、労働者の代表を議会に送りこむべきだとし、普通選挙を主張した。いわゆるチャーティスト運動である。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「トーマス・マコーリー」の詳細全文を読む
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