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ドモヴォーイ(, ''domovoj'')は、スラブ人の家の精。 == 解説 == 家を守り、暖炉の下や地下室、または玄関に住まう優しい気質の精霊で、新しい家にドモヴォーイを招くには暖炉の下にパンを一切れ置くとよい。また、ドモヴォーイにはドモビーハという妻がいるとされている。ドモビーハは床下に住んでいるとされる。同様の精霊がウクライナではドモヴィークと呼ばれる。 ドモヴォーイはイングランドのブラウニーと同様の考えから生まれたものである。名前はロシア語で「家」、「家庭」を意味するドムに由来する。個々の家庭の守護霊として住み着き古代の先祖の精霊から生まれたものであろう。普通、灰色のあごひげを生やした毛深い老人として描かれる。ドモヴォ-イは火と暖かさが好きで、怒らせると火災にあう。夕食の1部をそなえるとよい。家族が引っ越すときはドモヴォーイも暖炉から燃え木に沿って新居に引越しするという。またチェロヴィック(あの人)、でドゥシュカデドゥコ(おじいさん)との遠まわしな言い方で呼ばれる。 仕事は家族に危険が迫っていることを知らせたり悪い精霊や侵入者から守ったり未来予知することである。就寝中、ドモヴォーイに締め付けられたら、「吉か凶か」と尋ね、答えがあれば吉、なければ凶のしるしとされる〔『神の文化史事典』、白水社、2013年、362頁より引用〕。 ドモビーハがしゃべることはないが、ドモヴォーイはおしゃべりな精霊で、彼が優しくつぶやいている声が聞こえてくるときは平穏に暮らせる証であるが、すすり泣いたり大きな声でうなっていると、それは家族に不幸が起こる兆しになる。また暗がりで触ったら暖かく毛深い感じなら幸運、冷たく湿っているなら不運といわれている。 人間がドモヴォーイの姿を見ることはとても稀なことであるが、それは同時にとても不幸なことである。もし、彼の姿を見たのなら、その家族は新しい家を求めて引っ越した方がよい。 妖精を堕天使の一種としているキリスト教に於いては、ドモヴォーイとその仲間たちはかつては天国に住んでいたが反乱を起こして地上へ落ちてきたといわれる。 家の中でなく周囲に落ちてきたのがドヴォロヴォイ、バンニク、オヴィンニク、フレヴニクであり、人間に警戒心を持っている。荒野に落ちてきたのがポレヴィーク、レーシー、ヴォジャノーイ、ルサルカであり、人間に悪意を持っている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ドモヴォーイ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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