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ナス(茄子、茄、ナスビ、学名:''Solanum melongena'')はナス科ナス属の植物。また、その果実のこと。 == 概要 == 原産地はインドの東部が有力である〔大久保増太郎「日本の野菜」(中公新書)148ページ〕。その後、ビルマを経由して中国へ渡ったと考えられている。中国では茄もしくは茄子の名で広く栽培され、日本でも1000年以上に渡り栽培されている。温帯では一年生植物であるが、熱帯では多年生植物となる。 平城京の長屋王邸宅跡から出土した木簡に『進物 加須津毛瓜 加須津韓奈須比』との記述があり、高位の者への進物にナスの粕漬けが使われていたことが判明した。また、正倉院文書には「天平六年(734年)茄子十一斛、直一貫三百五十六文」をはじめとして多数の「茄子」の記述がみられる。これらのことから、日本では奈良時代すでにナスの栽培が行われていたことがわかる。 実の味から「中酸実」(なかすみ)が語源とされる。夏に実がなるので「夏実」(なつみ)と読んだが、それが訛って「なすび」(奈須比)と呼ばれたとする説もある。室町時代頃に宮廷の女官が女房言葉として「なす」と呼び〔、その呼称が定着した。元は貴重な野菜であったが、江戸時代頃より広く栽培されるようになり、以降日本人にとってなじみのある庶民的な野菜となった。葉とヘタには棘があり、葉には毛が生えている。 世界の各地で独自の品種が育てられている。加賀茄子などの一部、例外もあるが、日本においては南方ほど長実または大長実で、北方ほど小実品種となる。本州の中間地では中間的な中長品種が栽培されてきた。これは寒い地域では栽培期間が短く大きな実を収穫する事が難しい上に、冬季の保存食として小さい実のほうが漬物に加工しやすいからである。しかし食文化の均一化やF1品種の登場により野菜炒めや焼き茄子など、さまざまな料理に利用しやすい中長品種が全国的に流通している。日本で栽培される栽培品種のほとんどは果皮が紫色又は黒紫色である。しかしヨーロッパやアメリカ等では白・黄緑色・明るい紫、さらに縞模様の品種も広く栽培される。果肉は密度が低くスポンジ状である。ヘタの部分には鋭いトゲが生えている場合がある。新鮮な物ほど鋭く、鮮度を見分ける方法の一つとなるが、触った際にトゲが刺さり怪我をすることがある。収穫の作業性向上や実に傷がつくという理由から棘の無い品種も開発されている。 品種によって様々な食べ方がある。栄養的にはさほど見るべきものはないが、東洋医学では体温を下げる効果があるとされている。和漢三才図絵ではヘタにしゃっくり止めの効果があるとされるが、俗信の域を出ない。また皮の色素ナスニンは抗酸化作用があるアントシアニンの一種である。 なかには、「赤ナス」のような観賞用として生け花などにも利用されているもの(熊本県などで「赤ナス」の商品名で栽培されている食用の品種とは別物、また赤茄子はトマトを表す)もある。赤ナスは食用のナスの台木としても用いられる(観賞用の赤ナスは味などにおいて食用には適さないとされる)。 Solanum melongena ja01.jpg|ナス全体 Nasu03.JPG|ナスの葉 Nasu00.JPG|ナスの蕾 Nasu01.JPG|ナスの花 Nasu02.JPG|若い果実 Eggplant-sliced.jpg|果実の断面 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ナス」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Eggplant 」があります。 スポンサード リンク
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