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ナブッコ・パイプライン(、別名:トルコ・オーストリア・ガス・パイプライン)は、カスピ海地域の天然ガスをトルコを起点としてヨーロッパへ輸送するパイプライン計画。年間310億 m3の天然ガスを、トルコのエルズルムからオーストリアのバウムガルテン・アン・デア・マルヒまでのルートで輸送する計画であり、ガスの供給元及びルートからもロシアが外されているが、これは欧州のエネルギー安全保障の観点からロシアのエネルギーへの過度の依存を避けるためであり、ロシアが主導する露ガスプロム社と伊Eni社のサウス・ストリームパイプライン計画のライバルプロジェクトと目されている。一方で、2010年時点で可能性のある供給元として、イラク、アゼルバイジャン、トルクメニスタンの他エジプトなどが候補に挙げられているものの十分な供給量をまかなえず、ガス供給源の確保が大きな課題になっている。 ナブッコ・パイプラインの建設計画は2002年に始まり、2009年7月13日には、トルコ、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリー、オーストリアの5カ国間で合意書に署名がなされた。この5カ国にドイツを加えた6カ国のコンソーシアム(共同事業体)である「ナブッコ・ガス・パイプライン・インターナショナル GmbH」が開発事業者である。 2013年のパイプライン建設着工、2017年の完成が計画されているが、2011年9月にBPがルートが似通った「南東欧州パイプライン」を提案するなど、ナブッコ・パイプライン建設が予定通り実現するかは不透明な状況である。 ==開発動機== ナブッコ・パイプラインは、欧州連合とアメリカ合衆国の主導で開発が進められてきた〔 〕〔 〕〔 〕〔 〕。欧州横断エネルギーネットワーク構想()において、ナブッコ・パイプラインは重要戦略に位置づけられている〔 〕〔 〕〔。プロジェクトの目的はカスピ海地域および中東地域の天然ガスをEU諸国に供給することである〔 〕〔 〕〔 〕。これは、エネルギーの供給元を多様化し、ヨーロッパへの天然ガスの最大の供給者であったロシアへの依存度を軽減させる意図によるものである〔 〕〔 〕。2006年のロシア・ウクライナガス紛争はこうした供給元の多角化を目指す要因のひとつとなった〔〔 〕。また、欧州委員会の報告によると欧州におけるガス消費量は2005年の年間5020億立方メートルから2030年には年間8150億立方メートルへと増加することが予期されており、これは将来ロシア一国では欧州のガス需要を満たしきれない事を意味する〔 〕。 国際エネルギー機関事務局長(当時)の田中伸男は、ナブッコ・パイプライン計画はガスの供給元を増やすことになり、ヨーロッパのエネルギー安全保障の観点からはサウス・ストリームよりもより効果的であると述べている〔 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ナブッコ・パイプライン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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