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ナボニドゥスの年代記[なぼにどぅすのねんだいき]
ナボニドゥスの年代記(Nabonidus Chronicle)は古代バビロニアの文書であり、粘土板に刻まれた楔形文字による文書、広義のの一部である。 == 概要 == この文書は主に、新バビロニア帝国の最後の王、ナボニドゥスの治世を扱っており、その内容にはペルシア帝国のキュロス大王によるバビロン征服に関する記述を含み、キュロスの息子、カンビュセスの治世が始まるところで文書は終わる。時期としては紀元前556年から紀元前539年までの範囲である。この文書は、当時のキュロスの覇権についての貴重な史料である〔Oppenheim, A.L. "The Babylonian Evidence of Achaemenian Rule in Mesopotamia". In Gershevitch, Ilya (ed), The Cambridge History of Iran: Vol. 2 : The Median and Achaemenian periods, p. 535. Cambridge University Press, 1993. ISBN 0-521-20091-1 (『ケンブリッジ イランの歴史』第2巻(Gershevitch, Ilya 編、ケンブリッジ大学出版 1993年) p.535 に収められている「メソポタミアにおけるアケメネス朝支配についてのバビロニア人による証言」(オッペンハイム.A.L.著)より)〕。(ロンドン大学の歴史学者。専門は古代近東史)は、この文書について「バビロンの陥落に関して最も信頼できる、客観的な報告」であると述べている〔Kuhrt, Amelie. "Babylonia from Cyrus to Xerxes", in The Cambridge Ancient History: Persia, Greece, and the Western Mediterranean, C. 525-479 B.C, pp. 112-138. Cambridge University Press, 1988. ISBN 0-521-22804-2(『ケンブリッジ 古代史 4 (ペルシア、ギリシア、西地中海 紀元前525~479年)』 (ケンブリッジ大学出版、1988年) p.112-138に収められている「キュロスからクセルクセスまでのバビロニア」(アミリー・クアート著)より)〕。 この年代記はセレウコス朝(紀元前4世紀~紀元前1世紀)の時代に書記により写本されたと考えられているが、原本はおそらく紀元前6世紀末~紀元前5世紀初めにかけて書かれたものであろう〔Clyde E. Fant, Mitchell G. Reddish, Lost Treasures of the Bible: Understanding the Bible Through Archaeological Artifacts in World Museums, p. 228. Wm. B. Eerdmans Publishing, 2008. ISBN 0-8028-2881-7(『聖書の失われた宝 - 世界の博物館に収められている考古学的遺物による聖書の理解』(クライド E.ファント/ミッチェル G レディッシュ(著)、イードマン出版(米国)、2008年)p.228より)〕 。別のバビロニア年代記、ナボポラッサル~シャマシュ・シュム・ウキンの年代記(訳者注:暫定訳)との類似性からすると、ナボニドゥスの年代記はこの年代記と同じ筆記者が書いたものかもしれない。もしそうであるならば、ナボニドゥスの年代記の作成時期はペルシア帝国のダレイオス1世の治世(紀元前521~486年)ということになる〔。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ナボニドゥスの年代記」の詳細全文を読む
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