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ナース・コープ : ウィキペディア日本語版
聴診器[ちょうしんき]

聴診器(ちょうしんき。、 スソスコゥプ)は、物体の表面に接触させ、内部から発生する可聴域振動(伝導)をチューブで導いて聴く道具医療における聴診の道具の1つとして発達し、臨床医療の現場で医師看護師心臓血管等が発生する音を聴くのに用いられる。医療現場では「ステート」と呼ばれることも多い。戦前、医学用語がドイツ語に基づいて用いされていた時代は「スト」と (独:Stethoskop )と長音記号を含まない発音において呼称されていた〔熊井啓1986『海と毒薬』 (原作:遠藤周作) においては第二次世界大戦時の病院での用法について「スト」と長音記号を入れない発音で表現されている。〕。
== 歴史 ==

1816年フランス医師ルネ・ラエンネックが、子どもが木の棒の端に耳をあてて遊んでいるのを見て、聴診器のメカニズムを思いつき、発明した。それまでは、直接皮膚に耳を当てて音を聴いたり、触診打診によって心臓疾患などの病状を直接的に診察していた。これに対して、ラエンネックは、聴診器による聴診を「間接聴診法」と名付け、その精度は従来の診察法より遙かに確実であったことから、大きな反響を呼ぶこととなった。ただし、当初の聴診器は、1本の筒形の木でできた単純なものであった。フランス語:fr:stéthoscopeは、ギリシャ語のstétho=胸、scope=検査からラエンネックが名付けた。
その後ドイツ人の医師トラウベがより音を大きく聞くために患者にあてる部分を大きくしたじょうろ型の聴診器を開発し、1829年には胴体の部分がゴム管となった〔。1855年には米国の医師ジョージ・カマンが双耳型の聴診器を発明して精度を大いに改善し〔3M US Littmann Stethoscopes - History, Dr. Littmann, Cardiosonics Inc 〕、その後双耳型の聴診器は瞬く間に世界に広がり、医師のトレードマーク的存在となるまでに普及した。
1926年に米国の医師であるラパポートとスプラーグが呼吸音を聴きやすい面と心音を聴きやすい面の両面を切り替えて使えるダブルの聴診器を発明し〔
1967年にドイツの医師でハーバード大学医学部教授のデイビッド・リットマンによりスプラーグ型聴診器を小型化、軽量化し今日最も医師に用いられている聴診器が開発された〔。
また近年でも聴診器の開発は続き、アンプにより音を10倍程度に増幅し、聴こえを良くした「デジタル聴診器」や日本の医師風間繁により1991年に開発されたチェストピース(皮膚に直接あてる部分)を左右にわけ、左右の耳で別々の音を聞く「ステレオ聴診器」などが実用化されている〔。
なお、この聴診器の発明は、人間機械になぞらえ、(患者の言っていることよりも)客観的な数値によって診断を行なうという近代の「医学モデル」を推し進める一要因となったとされている〔Postman (1992=1994: 132)〕。
日本では1960年代まではチェストピースが象牙でできており、ゴム管が長い聴診器が主流であったが、1970年以降はチェストピースがダイヤフラムとベル部に別れ、ゴム管の短い聴診器に置き換わっていった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「聴診器」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Stethoscope 」があります。



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