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ニュートロンジャマー : ウィキペディア日本語版
ニュートロンジャマー
ニュートロンジャマー(''Neutron Jammer'')、通称Nジャマーは、テレビアニメ機動戦士ガンダムSEED』に登場する架空の兵器。
== 概要 ==
プラント最高評議会議員である物理学者オーソン・ホワイトによって開発された戦略兵器である。C.E.70年2月14日の「血のバレンタイン」で地球軍の核ミサイルから受けた被害によって、ザフトは、改めて核の脅威を認識、その対抗手段としてNジャマーの実戦投入が行われたという〔メディアワークス『データコレクション 機動戦士ガンダムSEED 上巻』「OFFICIAL REPORT」による。これの公式年表によるとNジャマー下における主力兵器MSの完成は戦前C.E.65年、Nジャマーの初投入は「血のバレンタイン」の8日後であり、Nジャマーの研究は戦前から既に行われていたことになる。〕。そしてニュートロンジャマーは「血のバレンタイン」の8日後、2月22日の「世界樹攻防戦」において初投入された。
Nジャマーの影響下では、自由中性子の運動を阻害することにより全ての核分裂を抑制する。このため、核ミサイルをはじめとする核分裂兵器、核分裂エンジン、原子力発電などは使用不可能となる。
副作用として電波の伝達が阻害されるため、それを利用した長距離通信や携帯電話は使用不可能となり、レーダーも撹乱される〔そのため、民間の通信伝達手段は有線によるものが急速に普及している事が角川スニーカー文庫「機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY 1巻」で語られている。アニメ本編においてはパトリック・ザラ、ラクス・クラインカガリ・ユラ・アスハギルバート・デュランダル等が全世界に自らの演説を中継させている描写が存在するものの、この技術を用いているかは定かではない。その他にもCEの代替通信手段としてはレーザー通信の存在が同著で示唆されている。また、携帯端末の通信においてはやはり地下に埋設した通信設備を駆使し、限られた範囲で行える事が「機動戦士ガンダムSEED FRAME ASTRAYS」作中で判明している。〕。これにより精密誘導兵器が使用不可能となり、戦場は再び有視界接近戦闘の時代を迎えた。ザフトではこの通信妨害効果を活用すべく、ほぼすべての艦艇にニュートロンジャマーを搭載。戦闘時に稼動させるのが定石となっている。〔電撃ホビーマガジン2003年3月号より〕そして、その環境下で最も有効な兵器としてザフトが開発した新兵器がモビルスーツ(MS)である。ただ、戦闘中のMSと母艦の通信にも阻害が及び、特に通信対象との距離が離れると、その影響はより顕著になる。
本体下部には地面を掘り進むためのドリルが備えられており、着地後は自動的に地中数百メートルまで掘削し自己埋没するうえ、あらゆる遠隔操作に対しプロテクトがなされているため、敵に無力化される危険性は非常に低い。打ち込んだザフト自身ですら除去、回収は困難だという。また、Nジャマーの有効範囲は非常に広く、オペレーション・ウロボロスにおいて使用されたものは数基で地球全域を影響下に置けるほどである。しかも投下時にはダミーを含めて大量にばら撒かれており、地球連合軍は数すら把握していない。
作品制作上の事情としては、宇宙世紀におけるミノフスキー粒子の代わりとして、在来の誘導兵器や火器管制装置を無効化し、接近戦や格闘戦を得意とする人型ロボット兵器が活躍できる条件を作る必要があった。
なお、ニュートロンジャマーには地熱を電気に変換して動力源とする装置を搭載しており、偶然の要素による装置の破壊(地殻変動による圧壊など)が無い限り半永久的に動作する。
この装置の散布によってCEにおける地球のエネルギー供給は原子力から太陽光発電に急速へと転換し、通信においてもレーザー通信、一般社会においては全世界規模の有線通信の構築が行われた〔角川スニーカー文庫「機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY」1巻より〕 。
=== 劇中での動向 ===
地球連合軍ユニウスセブンに核ミサイルを打ち込んだ「血のバレンタイン事件」の報復として、ザフト軍がC.E.70年4月1日に、オペレーション・ウロボロスの発動により地球全土に撃ち込んだ。この事件はエイプリル・フール・クライシスと呼ばれ、地球に未曾有のエネルギー危機を引き起こした。
地中深くに埋め込まれたNジャマーの影響から以後ザフト軍、地球連合軍の双方は核の使用が不可能となり、MSを有するザフト軍が戦争の主導権を握った。なお、この影響で原子力発電も不可能となり、化石燃料資源が既に枯渇しているコズミック・イラの地球全土に深刻なエネルギー不足が起きたことで、当時の地球人口の約1割、およそ10億人の餓死者・凍死者(その大部分は貧困層を主とした一般市民である)を出す人類史上最大の惨事が起きた。これにより、人々の反プラント、反コーディネイター感情が高まることになった〔エイプリル・フール・クライシスによって地球人類が被った被害は、『機動戦士ガンダムSEED』本編における第1話序盤のニュースでの「アフリカの万単位の餓死者」や、14話総集編におけるニュートロンジャマー投下と、それに続く「エネルギーが供給されずゴーストタウンとなった大都市」のカット。そして同14話前半でNジャマーの意味が説明される直前にプラント評議員タッド・エルスマンが言及した「地球に打ち込めば地球の経済は、分けてもエネルギー問題は深刻な打撃を被りますぞ! 併せ持つ電波攪乱の性質も生活に多大な影響を…」という発言にも示唆されている。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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