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ヌシ ヌシ(主)は、古代日本の神名や人名につけられる称号。地方の首長や国津神系の神名や人名を表す称号として用いられた。天津神系の神名や人名を表すヒ(日)と対立する称号である。 ==語源・語義== ヌシはウシ(大人)が語源でノウシ(助詞ノ+大人)の短縮形である〔本居宣長『古事記伝』〕。斎主(いわいぬし)を日本書紀は「斎之大人(いわいのうし)」とも伝えている。8世紀に成立した継体天皇紀は主人王をヌシ(主)を用いて記しているが、推古朝の7世紀に成立したと考えられる上宮記では同一人物を汙斯王(ウシキミ)とウシを用いて記している。つまりヌシ(主)はウシ(大人)から派生し、7世紀前後に成立した比較的新しい用語である〔ネ、ミ、ヒコ、ヒメなどの称号を表す漢字が多様なのに比べてヌシは「主」一つに固定化していることも、その新しさを表している。溝口睦子「記紀神話解釈の一つのこころみ」『文学』1973-1974年。〕。ヌシの語義は「ある領域の主(あるじ)として占めている」の意である〔本居宣長『古事記伝』〕。
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