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ネットワークエンジニア : ウィキペディア日本語版
ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニア 英語:network engineer、略称:NE)とは、コンピュータネットワークのシステムの構築(設計、初期設定、テスト)運用・保守、ネットワークプログラミングなどに従事する情報処理技術者を指す。データ通信を媒介し、様々なサービスを提供するためのプラットフォーム(UNIXLinuxWindowsなど)や、それらの環境で稼動するサービス(ファイアウォールDNSMTAルータスイッチなど)の特性を理解し、これらの連携を実現するためにネットワークケーブルや商用回線といった物理的な要素やプロトコルにも幅広く精通する。システムエンジニアの一種であり、主にデータ通信に特化した情報処理技術者のことを指す。
ただし名称独占の肩書きではないため、バズワードとして定義は曖昧である。
2012年現在の傾向として、システムインテグレーターの一員としてネットワークシステムの顧客提案や構築工事のスケジュール調整業務など、ゼネラリストとしての色合いが強い業務もネットワークエンジニアと称し、これが担当することがある。
また求人の際の便宜上、システムインテグレーターやその下請け企業・人材派遣会社がルータまたはスイッチを取り扱う技能者を指してネットワークエンジニアと称することもある。
近年では通信技術の多様化もあいまって、ルーティングとレイヤー2・レイヤー3スイッチングの技術のみに精通していれば業務が成立する工程(初期設定・監視など)も少なくなく、こうしたことから「ネットワークエンジニア=ルータ・スイッチのスペシャリスト」という曲解も一部ではまかり通っている。
この風潮により、業界事情や技術に明るくない企業経営者や管理職が初心者を対象にネットワークエンジニアを育成するも、結果的にルーティングやレイヤー2・レイヤー3スイッチングの技術のみしか習得できず、対応範囲のきわめて狭い入門者が技能者として同じ工程を担当し続けることになり得るため、2013年現在も業界全体の人材不足の遠因となっている。
ネットワーク通信に特化したシステムインテグレートに関する人員確保は作業員・オペレータよりも、ネットワークエンジニアの方が上級技術者らしく聞こえて高い単価を要求できるためか、初心者でもそう名乗らせることが多い。
巨大メーカーや通信企業(NTTグループを筆頭とするいわゆるITゼネコン)における技術的に未成熟なままの中堅社員や、PBXやTDMをはじめとするレガシーなシステムに特化したエンジニアや技能者が余ることを危惧した企業が、そうした社員への雇用を確保するためにまずシステムインテグレーターという業態をスタンダードなものにし、そうした中堅社員のモチベーションを維持するために、ネットワークエンジニアと名乗らせて配属させることも常態化している。こうした企業は商流としては一次請け企業の子会社であることが多く、主な役務は会議のスケジュール調整や議事録の作成、進捗報告、および要件定義から構築までのエンジニアリングを担当する協力会社をユーザーに引き合わせる事であるが、ネットワークエンジニアと呼ばれている。こうした冗長なポジションを「ベンダーコントロール」と強弁し、情報処理技術やTCP/IPの基礎に乏しい役職者がユーザーとエンジニアリング担当者との間に介在することになるため、ネットワークシステム構築の業務における指揮命令系統は脆弱になりやすく、しばしばデスマーチを招く結果となっている。
== ネットワークエンジニアの職域 ==
本項目では主にシステムインテグレーター(SI企業)としてのネットワークエンジニアの業務について触れる。
日本の場合は提案・設計・初期設定・運用といった各種工程を完全に分担して行う傾向が強く、上流工程の任に当たる者が下流工程の任に当たる者のスキルを踏襲していないケースも極めて多い。このあたりの事情はソフトウェア開発の業界における「プログラミング(コーディング)は出来ないがアプリケーション設計は出来る」といったシステムエンジニアが多数存在することと類似しており、「上流工程ならば細かいところは知っている必要は無い」と組み立て、ネットワーク技術の概要理解(メールの配送の仕組みや、TCP/IPの基礎的な知識など)の欠如も問題視されないことがある。
こうしたことから、設定業務→設計業務→コンサルティング業務といった具合に各々の業務に優劣を印象付け、上流工程に移ることをキャリアの向上とみなし(あるいは誤解し)、賃金差を図る企業も少なくない。本来これはネットワークエンジニアの理想的なキャリアプランの一形態とされているものの、上述のように単価を上げる(もしくは賃金を下げる)という目的のみでこれらの工程を差別化しており、ネットワーク技術の基本的な知識が乏しくとも上流工程における業務に配属されるケースが後を絶たない。
SI企業におけるネットワークエンジニアの職域を分類すると、以下のようなものを挙げることができる。
; ネットワークシステムの運用・保守
: 構築後の維持管理、メンテナンスなどを行う。特定企業の情報システム部門に所属する業務形態も存在し、社内のネットワーク通信に関連するあらゆるデバイスの運用維持に対応できることが要求される。これらの業務を円滑に行うべくソフトウェアの開発や緊急時のハードウェア交換、エンドユーザ対応など、業務は流動的に変化しうる。また、SI企業が顧客内での運用業務全般を請け負っている場合でネットワークシステムの新規構築・更改作業が発生した際には、提案~設計~初期設定~運用までの工程を1人称で行う場合も少なくない。なお、上述のように上流工程という言葉の意味を取り違えた企業の場合、運用・保守の業務は下流工程(レベルが低いという解釈)に位置づけられる。
; ネットワークシステムの監視
: 運用・保守業務のひとつであるが、ミッションクリティカルな基幹デバイスを連続的に監視するため、専任者(有償の監視サービスによって提供されるケースが一般的である)を用立てるケースが通常である。遠隔地から24時間体制(利用サービスによる)にて、主にSNMPを用いた監視ツールを使用し、定型的作業によって監視対象機器の生死を確認するのが一般的である。一部の零細請負企業ではネットワークエンジニアへの登竜門的業務と位置づけている場合があるが、現実にはルーチンワーク化によってネットワーク技術に一切精通していなくとも勤まる現場も少なくなく、深夜勤務労働者の確保のために便宜上、ネットワークエンジニアという名称を用いているのが実情である。
; プロジェクトの傍観
: 主に、元請けとなる巨大メーカーや通信企業(ITゼネコン)の子会社が担当する。エンジニアリングを担当する下請け企業との間に介在し、元請け企業の100%資本の企業、あるいはグループ企業であることが多い。だぶついているグループ従業員の雇用を確保するために存在する中間業者であり、案件をノウハウのある下請け企業にほぼ全面的に委託することが主業務である。業務に関わったという証跡を残すことそのものが主な業務であり、議事録や資料を冗長・膨大に作成する。求人の際に、これを「ベンダーコントロール」「SE業務」と称するケースもあるため、求職者は注意が必要である。
; ネットワークシステムの提案
: 顧客への提案を行う。概要設計も含まれる。ネットワークエンジニアではなく営業やコンサルタントなどがこれを行うこともある。
; プロジェクトマネージャ
: 上記の基本設計から運用・保守体制の確立までの工程に関する予算管理・要員調達・進捗管理などを行う。ネットワークシステムの提案担当者や設計担当者がこの業務を兼務する場合も。
; ネットワークシステムの設計
: 詳細設計を行う。手順や試験項目立案、運用設計なども含まれる。セキュリティ面での考慮も必要。
; ネットワークシステムの初期設定
: 設計書に沿ってネットワークデバイスを設定し、ネットワーク回線を使ってシステム同士を接続する。構築後の試験も含まれる。
; ネットワークサービス・機器の開発
: ネットワークプロトコルやネットワークデバイスの開発を行う。ソケットプログラミングを行うことも含まれる。主にハードウェアベンダーのエンジニアがこれに当たる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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