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ネネツ語 : ウィキペディア日本語版
ネネツ語[ゆらく]

ネネツ語ユラク語とも呼ばれた)は、ロシア北部のネネツ人が話す言語である。「」と「」に分けられる。この2つはよく、同じ言語の方言として扱われるが、それらは全く違う言語で、相互理解可能性も大変低い。その二つのうち話者人口が多いのはツンドラ・ネネツ語で、約3万人から4万人〔Ethnologue 〕。カニン半島からエニセイ川の辺りに分布している。 森林ネネツ語の話者人口は1000人から1500人ほどで、アガン川プル川リャミン川ナディム川の周辺に分布している〔〔。
ネネツ語は、ウラル語族に分類され、いくつかのヨーロッパの国家言語(すなわち、フィンランド語エストニア語ハンガリー語など)や他のロシアの少数言語と遠い親戚関係にある。また、2種のネネツ語はともにロシア語に大いに影響を与えており、コミ語ハンティ語などは、ツンドラ・ネネツ語や森林ネネツ語からの影響が見られる。ツンドラ・ネネツ語は、先住民の言語で少数言語であるにもかかわらず、しっかりと記録がされており、1930年代にさかのぼる文学伝統も持っている。一方、森林ネネツ語が初めて書かれたのは1990年代で、しかもとても小規模である〔。
ちなみに、英語の「parka」は、ネネツ語から来ており、パーカーは元々、彼らの伝統の、動物の毛皮等から作った長いフード付きの上着だった〔"parka" in ''Merriam-Webster Online Dictionary'' 〕。
== ネネツ語共通の特徴 ==
ネネツ語の特徴は、ほとんど全ての子音において組織的な口蓋化が起こることである。これは原始サモエード諸語の、異なる母音の特性の間にある著しい差異から起こる。
*
*Cä,
*Ca →
*Cʲa,
*Ca
*
*Ce,
*Cë →
*Cʲe,
*Ce
*
*Ci,
*Cï →
*Cʲi,
*Ci
*
*Cö,
*Co →
*Cʲo,
*Co
*
*Cü,
*Cu →
*Cʲu,
*Cu
軟口蓋音
*k と
*ŋ はさらに、口蓋化した時に
*sʲ と
*nʲ に変わる。
ツンドラ地域で話される他のサモエード諸語(エネツ語、ヌガナサン語、そして消滅言語のユラツ語)でも同じような変化が発生する。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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