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ハッセ図(ハッセず、英: Hasse diagram)は、数学における有限な半順序集合を単純に図示するもので、半順序の推移簡約を描いたものである。具体的には半順序集合 ''(S, ≤)'' があるとき、''S'' の個々の元を頂点とし、''x'' < ''y'' で、しかも ''x'' < ''z'' < ''y'' となるような ''z'' が存在しない場合にのみ ''x'' から ''y'' に上向きの線(辺)を描く(ここで、< は全ての ''x'' について ''(x,x)'' という元を除くことで ≤ から得られる)。 この場合、「''y''は''x''を被覆する」または「''y''は''x''の immediate successor(直接の後続)である」という。さらに、各辺が両端の頂点以外を通らないように頂点を配置する必要がある。このような図(頂点にはラベルが付属するものとする)は半順序を一意に特定し、任意の有限な半順序では推移簡約が一意に定まる〔無限な半順序は推移簡約を持つとは限らない。各元には必ず immediate successor がなければならない。実数の区間 1 を考えてみればよい。〕。ただし、図における元の配置の仕方は様々なものが考えられ、ひとつの順序集合に対して見た目の異なるハッセ図が多数存在することになる。 ハッセ図はヘルムート・ハッセ(1898年-1979年)に因んで名付けられている。 によれば、ハッセが事実上この図を生み出したからだという。しかし、ハッセが最初にこの図を使ったわけではなく、 などには既にこの図が使われている。ハッセ図は半順序集合を手で図示する技法として生まれたが、最近ではグラフ描画技法を使って自動的に描くことができる〔例えば、 や を参照〕。 「ハッセ図」という言葉は、個々のグラフの描画とは関係なく、抽象概念としての有向非循環グラフの推移簡約を指すこともある。ただし、本項目ではこの意味では使わない。 == 例 == * の冪集合には包含による半順序があり、次のようなハッセ図で表される。 * 60の全約数の集合 ''A'' = には、整除性による半順序があり、次のようなハッセ図で表される。 * 集合 には全部で15の分割があり、細分 (refinement) による半順序があり(より細かい分割の方が小さいとする)、次のようなハッセ図で表される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ハッセ図」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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