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ハドロン () は、素粒子標準模型において強い相互作用で結びついた複合粒子のグループである。 強粒子とも訳されるが、現代では素粒子物理学者がこの和名で呼ぶことはほとんどない。 この名称は、ギリシャ語の「強い」の意の〔ラテン文字翻字:〕に由来し、1962年にレフ・オクンによって付けられた。 == 性質 == 強い相互作用の基本理論である量子色力学 (QCD) では、ハドロンはクォーク(と反クォーク)とグルーオンによって構成される。 クォーク模型に従って、ハドロンの性質は主に''価クォーク''によって決定される〔 〕。例えば、陽子は2つのアップクォーク(電荷 + )および一つのダウンクォーク(電荷 − )によって構成される。これらを足し合わせると陽子の電荷 +1 が算出される。クォークは色荷(カラー)も持つが、クォークの閉じ込めという現象のためハドロン全体としては色荷が0となる必要がある。すなわち、ハドロンは"無色"または"白"となる。最も簡単にこれを実現するには、3つそれぞれが色の異なるクォークを合成するか、あるカラーのクォークと対応する反カラーの反クォークを合成すればよい。前者の構成のハドロンはバリオン、後者の構成のハドロンは中間子となる。 全ての亜原子粒子と同様に、ハドロンには量子数が割り当てられている。その一つは、ポアンカレ群の表現に対応する ''J''(''m'') である。ここで、''J'' はスピン量子数、''P'' は固有パリティ(Pパリティ)、''C'' は荷電共役(Cパリティ)、および ''m'' は粒子の質量である。ハドロンの質量はその価クォークにほとんど関係しておらず、むしろ質量とエネルギーの等価性により質量のほとんどは強い相互作用に関連する膨大なエネルギーの量から来ていることに注意が必要である。また、ハドロンはアイソスピン(Gパリティ)やストレンジネスのようなフレーバー量子数を持つ。全てのクォークは加法的な保存するバリオン数 (''B'') と呼ばれる量子数を持つ。クォークは +、反クォークは − のバリオン数を持つ。これにより、クォーク3つからなるバリオンは ''B'' = 1 で、クォークと反クォークからなる中間子は ''B'' = 0 となる。 ハドロンは共鳴として知られる励起状態を持つ。各基底状態ハドロンはいくつかの励起状態を持つ。数百の共鳴が素粒子実験により観測されている。共鳴は、強い力を介して一瞬(約10 秒以内)にして崩壊する。 他のQCD物質の相では、ハドロンは形成されないこともある。QCDの理論によると、例えば超高温や高圧では、クォークのフレーバーが十分に多くなければ、強い相互作用の結合定数がエネルギーとともに減少するためクォークとグルーオンはハドロンの中に閉じ込めることができない。この性質は、漸近的自由性として知られ、1 GeV 〜 1 TeVのエネルギー範囲で実験的に確証されている〔 〕。 自由粒子のハドロンは、陽子(および反陽子)を除いて不安定である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ハドロン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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