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ハプスブルク=ロートリンゲン朝 : ウィキペディア日本語版
ハプスブルク=ロートリンゲン家[はぷすぶるくろーとりんげんか]

ハプスブルク=ロートリンゲン家:Haus Habsburg-Lothringen)は、ロレーヌ家出身の神聖ローマ皇帝トスカーナ大公(元ロレーヌ公フランツ・シュテファン(フランツ1世)ハプスブルク家オーストリア大公ハンガリーボヘミア女王マリア・テレジア夫妻に始まる家系である。
神聖ローマ皇帝カール6世は男子に恵まれず、長女マリア・テレジアの婿としてロレーヌ公フランツ・シュテファンを迎えて帝位を継がせた。従ってハプスブルク家はマリア・テレジアの代で男系が絶えており、以後はハプスブルク=ロートリンゲン家と呼ぶのが正しい。実際、現在でもハプスブルク家の正式名称はハプスブルク=ロートリンゲン家である。これは紋章にも表れており、そこには神聖ローマ帝国双頭の鷲とともにロレーヌの公章も描かれている。
現在の家長は、最後のオーストリア皇帝カール1世の孫のカール・ハプスブルク=ロートリンゲンである。
== 概要 ==

=== ロレーヌ家 ===

ロレーヌ家は、現在はフランスドイツとの国境地帯にあるロレーヌ地方にあったロレーヌ公国を統治した家系である。ロレーヌは古のロタリンギアに由来し、カロリング朝期にはフランク王国の心臓部とも言うべき場所であった。従って領域は小さいものの、地理的には非常に重要な位置にあるため、その帰属を巡って紛争が絶えなかった。15世紀にはブルゴーニュシャルル突進公が自領の間に挟まったロレーヌの併合を企てたが、ナンシーの戦いに敗れて自身とブルゴーニュ公国の破滅を招いた。この戦いで突進公を敗死させたロレーヌ公ルネ2世は、フランツ・シュテファンの直接の先祖である(ちなみにフランツ・シュテファンはシャルル突進公の血も引いている)。ルネ2世は母方のヴァロワ=アンジュー家から公位を継承しているが、父方のヴォーデモン家は母方の祖母イザベル女公まで続いていたロレーヌ家(シャトノワ家)の傍系であり、以後フランツ・シュテファンまでの歴代のロレーヌ公はこの家系から出た。また、ルネ2世の次男ギーズ公クロードに始まる分枝のギーズ家は、ヴァロワ朝後期にフランスで権勢を振るった。
1670年から1714年の間にロレーヌは2度フランス王ルイ14世に占領されており、ロレーヌ公の一族はオーストリアへ亡命してハプスブルク家の皇帝に仕え、以後もハプスブルク家との関係を深めた。14世紀初め、アルブレヒト1世の娘エリーザベトとロレーヌ公フェリー4世の結婚からハプスブルク家とロレーヌ家の関係は始まっていたものの、それまでロレーヌ家はフランス王家との関係が強かった。シャルル5世は在位中に公国を統治できず名目のみに終わったロレーヌ公であるが、皇帝フェルディナント3世の娘エレオノーレと結婚し、嗣子レオポルトをオーストリア領内でもうけている。レオポルトは1697年のレイスウェイク条約でロレーヌを一旦返還され、翌1698年にルイ14世の姪エリザベート・シャルロットと結婚した。フランツ・シュテファンは2人の間の息子である。
フランツ・シュテファンはロレーヌ家の当主であり、皇帝フェルディナント3世とフランス王ルイ13世の曾孫でもあった。又従妹であるマリア・テレジアとは恋仲であったが、結婚とともに帝位継承者となるに際して、その国際的承認と引き換えにロレーヌをフランス王ルイ15世に譲渡しなければならなかった。ルイ15世はロレーヌ公位を舅の元ポーランド王スタニスワフ・レシチニスキに与え、その死後にフランス王領へ併合した。代償としてフランツはトスカーナ大公国の大公位を継承した。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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