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ハロバクテリア : ウィキペディア日本語版
高度好塩菌[こうどこうえんきん]

高度好塩菌(こうどこうえんきん、ハロバクテリア)とは、ユリアーキオータ門ハロバクテリウム綱に属す古細菌の総称。いずれも増殖に高い塩化ナトリウム (NaCl) 濃度を要求する。高度好塩性古細菌、好塩性アーキアやハロアーキア (Haloarchaea) と呼ぶこともある。
しかしながら、近年属種の増加により、NaCl濃度が0.9 Mでも増殖可能な種の報告や、最適増殖NaCl濃度が2.0 M以下である''Haloferax volcanii''、''Halorubrum sodomense''、''Halorussus ruber''などが報告されている。
広義の高度好塩菌には、上記に加え、至適増殖NaCl濃度が2.5–5.2M(高度好塩性)の古細菌・真正細菌全てを含む。しかし、これらはいずれもメタン菌光合成細菌(真正細菌)であり、系統関係上高度好塩菌には含まれず、発見種もわずかである。詳細は好塩菌を参照。
== 概要 ==
高度好塩菌は塩湖塩田など高塩環境を好んで生育する生物で、古細菌の主要なグループの一つである。2016年4月現在、学名として正式に発表されているものは50属213種である。アメリカ合衆国グレートソルトレイクのような塩湖、塩田や海岸の砂、岩塩などから分離される。
性質としてはいずれも偏性好気性の常温菌(一部は弱い好熱菌)で、アミノ酸などを基質とする化学合成、または光合成従属栄養生物である。高温培養器や嫌気性菌培養機器などが要らないために古細菌の中では比較的研究対象にしやすく、''Halobacterium salinarum'' NRC-1は古細菌のモデル生物の一つとして知られている。分離も古細菌の中では最も早く、1922年には既に''Pseudomonus salinaria''(後の''Halobacterium salinarum'')の分離に成功している。
また、好塩性古細菌の多くは光合成をするために膜にバクテリオロドプシンという光合成色素を持つ。この色素は光エネルギーを直接水素イオン濃度勾配に変換するという働きを持っており、真正細菌真核生物が行う光合成とは機構も起源も異なる高度好塩菌独自のものである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「高度好塩菌」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Halobacterium 」があります。



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