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バター茶(バターちゃ 、(スーヨウチャー、))は、主にチベット、ブータンを中心としたアジア中央部の遊牧民族や住民が日常飲んでいる茶飲料。ヤクの乳脂肪、塩を加えるため、塩バター茶とも言われる。チベット語ではプージャ()、ラダック(インド・ジャンムー・カシミール州)ではグルグル・チャ、ブータンではスージャ(suja)と呼ばれる。 == 概要 == チベット人の生活には欠かせない飲料である。味噌汁や海草スープ〔に近い塩味があるので、飲み慣れていない外国人には好みが分かれる。 遊牧民族の住む海抜の高い草原では茶の木は育たないため、全量を中国から輸入している。遊牧に際して携行するために、可搬性に優れた黒茶を固めた磚茶(団茶)を淹れ、固形化したヤクの乳から作られたギーであると岩塩を加え、ドンモ()と呼ばれる専用の攪拌器具を使って、脂肪分を分散させて供する。主に女性が行ってきたドンモでの肉体労働を嫌って、ラサなどの都市部では、電動ミキサーを使うこともある。 乾燥した気候で失われがちな水分、脂肪分、熱量と塩分を効率的に補給することができ、暖も取れるため、チベットではよく飲まれている。朝から夜まで少なくとも一日10回ほどは飲まれ、多い人は日に5リットルも飲む場合がある〔。飲む時に唇に脂肪が付くため、リップクリームのようにひび割れを防ぐ効果もある〔Mayhew, Bradley and Kohn, Michael. (2005) ''Tibet''. 6th edition, p. 75. ISBN 1-74059-523-8.〕。チベット人で英国に渡ったリンチェン・ハモは著書『私のチベット』で、バターは油分の多い紅茶用のクリームと同じと書いている。 バター茶は客人をもてなすのには欠かせないものであり、来客があれば主人が何杯も勧める。飲み終わるとまた注がれるので、客は飲みたいだけ飲めば良いが、不要であれば碗に残しておけばよい。 輸入品である茶葉は、大きな薬缶で何度もじっくり煮出し、暖めなおして徹底的に使われる。もともと発酵が進み、熟成された黒茶を使うが、量は少ないので、茶水の色は褐色である。一方、ギーや塩は後から飲む分に応じて都度加え、攪拌されるので、暖かい状態で飲むことが出来る。また、ギー、塩を加えたものを保温して、あるいは暖めなおして飲むこともある。 直接飲用にする以外に、チベット人の主食であるツァンパを練るのにも使う。 モンゴルではツァイと呼ばれる乳茶にバターを入れて飲む。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「バター茶」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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