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バッカス・ナウア記法 : ウィキペディア日本語版
バッカス・ナウア記法[ばっかすなうあきほう]
バッカス・ナウア記法()とは、文脈自由文法を定義するのに用いられるメタ言語のことで、一般にBNFやBN記法と略される。現在はこのBNFを拡張したEBNF (Extended BNF) が一般的に使われている。EBNFでは正規表現を用いてより簡単に記述でき、プロトコル規定言語であるASN.1や、XMLの構文定義にも利用されている。
ジョン・バッカスピーター・ナウアALGOL 60 の文法定義のために考案。当初は文脈自由文法の本来の定義に則り or(|)以外の定義はなく、繰り返しは再帰を利用して表現されている。
*、?等を含む正規表現はBNFを拡張したEBNFによって導入された。パーサジェネレータを使用して構文解析器を生成する際に、構文を定義するためにも使う。
ISO/IEC 14977:1996においてEBNFの標準が定義されているが、EBNFにもいろいろな亜種や変種がある。例えば、RFC2234にはABNFという変種が定義されている。しかし、ABNFは標準のEBNFとかなり異なる部分がある。
== 歴史 ==
ジョン・バッカスは ALGOLの文法を表現するためにこの記法を考案した。1959年、パリで世界初の国際コンピュータ大会議が開催された際、バッカスは論文を発表した。これは後にALGOL 58と呼ばれる IAL の形式記述であった。彼が発表した形式言語は、Emil Post の生成システムに基づいたものであった。形式文法は数学における研究課題のひとつであり、例えばノーム・チョムスキーは自然言語の文法への適用を研究していた〔Chomsky, Noam, "Three Models for the Description of Language," ''IRE Transactions on Information Theory'', Vol. 2 No. 2, pp. 113-123, 1956.〕 〔Chomsky, Noam, ''Syntactic Structures'', Mouton, The Hague, 1957.〕。
ピーター・ナウアは、バッカスの記法を単純化し、使用する文字セットを最小化した。この貢献から、ドナルド・クヌースの提案により〔Knuth, Donald E. 、 誌 7(12):735-736, 1964〕、Nはナウアにちなむものとされるようになった(この提案は、実際のところその名に反して、この記法が表すものが必ずしも、形式言語理論の用語でいう標準形(正規形とも。normal form)とは限られないためでもある。なお、ナウア本人は、プログラミングに数学的な形式主義を過度に取り入れることを近年は嫌悪している関係でこれを好んでおらず、Backus Normal Formとするほうを好むとしている)。
バッカス・ナウア記法、あるいは BNF 文法は、パーニニの文法規則によく似ている。このため、パーニニ・バッカス記法()と呼ばれることもある。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「バッカス・ナウア記法」の詳細全文を読む



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