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バッタ(飛蝗)は、バッタ目(直翅目)・バッタ亜目 (Caelifera) に分類される昆虫の総称。イナゴ(蝗)も含まれるが、地域などによってはバッタとイナゴを明確に区別する。漢字表記では、「螇蚸」、「蝗虫」や「蝗」とも。英語ではGrasshopper。 == 概要 == 熱帯・温帯の草原や砂漠地帯に広く分布する。キリギリスやコオロギよりも、乾燥していて草丈が短く、地面がかなりむき出しになっているような環境に多く生息する。 キリギリスやコオロギは同じバッタ目で、体型もよく似ているが、違いも多く、 * バッタは体が前後に細長く、触角は短い。 * キリギリスやコオロギの耳が前脚にあるのに対し、バッタの耳は前脚ではなく、胸部と腹部の間に1対ある。 * バッタのメスの尾部には産卵管があるが、長くはならず、あまり目立たない。 * バッタはほとんどの種類で、メスの方がオスよりも明らかに体が大きい。 などの特徴がある。 昆虫の中でも特に後脚が大きく発達していて、後脚で体長の数十倍もの距離をジャンプできる。また、幼虫は翅がないが、成虫になると多くの種類で翅が伸び、空中を飛ぶこともできる。翅の構造は細くて不透明な前翅と、大きく広がる半透明の後翅からなる。ただし、フキバッタ類など成虫になっても翅が小さいままの種類や、ヒシバッタやオンブバッタなど、飛ばない種類もいる。 体色は緑色と褐色の組み合わせで、その割合は種類や個体によってちがう。これは生息場所の環境に合わせた保護色だが、個体群密度が高いと黒っぽい体色になることもある。 主な生活の場は大きく分けて2つ、地上性と植上性とがある。植上性では爪の間に吸盤状の器官が発達し、これで植物などにしがみつく。また、ガラスのような滑る面でも自由に歩き回ることが出来る。地上性の種類では爪の間に何もないか、あっても痕跡的な器官があるだけである。前者にはトノサマバッタ、カワラバッタ、ヒナバッタ、マダラバッタなどが属し、後者にはショウリョウバッタ、コバネイナゴ、オンブバッタ、フキバッタなどが入る。 口は大あごが発達し、植物の葉を齧り取って食べる。多くの種類はイネ科やカヤツリグサ科の植物を食べるが、フキやクズなど葉の広い双子葉類を好む種類もいる。また、カワラバッタなどは植物の他に他の昆虫の死骸なども食べる雑食性である。 ヒナバッタやナキイナゴなどオスが鳴く種類もいるが、これらは翅や後脚を擦り合わせて音を出しており、前翅に発音器官をもつキリギリスやコオロギとは発音の仕組みが異なる。また、ショウリョウバッタやトノサマバッタ、クルマバッタなどは飛翔中に発音するが、これは前後の羽を打ち合わせながら飛翔することで発音している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「バッタ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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