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バルサンは、1954年より中外製薬がブランドの使用を始め、2004年以降は同社から譲渡を受けたライオンが製造・販売する燻蒸・燻煙式を主とした殺虫剤である。医薬品扱い。 == 概要 == 『バルサン』ブランドの製品第一号は、1954年に中外製薬から発売された燻蒸式殺虫剤『バルサン錠』。高純度のγ-BHCを小型錠剤化したもので、これをスプーンの上に乗せてローソクの火などで加熱して揮発させるものであった。後に『バルサン錠』を電球の熱を利用して簡便に加熱できる『バルサンリング』も用意され、現在の「電気蚊取」の前身といえるものであった。 『バルサン』ブランドの由来は、当時米国で爆発的な人気を博していた有機塩素系殺虫剤『バルカザン(Varcasan)』に因み、これに元々中外製薬が有していた商標『バルサン(Varsan)』をあてたもの。また『バルカザン』から「カ」の文字を抜くことで、「カ="蚊"」を取るという解釈も含まれている。 2004年12月29日をもって中外製薬がライオンに一般消費者向け医薬品等の事業及び『バルサン』の商標を譲渡したために、現在はライオンの製品となっている。くん煙剤は医薬品扱いであったが、現在は『バルサン』の知名度を活かして害虫に関する総合ブランドとなっている。そのために、ライオンに移管後、医薬品や医薬部外品(防除用医薬部外品)ではない製品も出回った。医薬品の商品が多いため、販売チャネルは、主に薬局・薬店やドラッグストアでの取り扱いが多い。移管後ブランドロゴが若干変更されているほか、テレビCMでは冒頭画面右上に小さくブランドロゴを表示している。また移管後もテレビCMでは商品名のサウンドロゴも継承している。 強い噴射力と拡散力で殺虫成分が部屋の隅々まで運び、隠れたゴキブリや見つけにくいダニ・ノミなどの害虫を逃さず、部屋中の害虫をくまなく駆除できるのが特徴。ゴキブリ・ダニなどの害虫を退治する医薬品の燻蒸・燻煙式殺虫剤としては、アース製薬の『アースレッド』と並んで一般的な商品であり、燻蒸・燻煙式殺虫剤を使うことを「バルサンする」と形容するほど定着している。 『バルサン』といえば、ふたに付いているすり板で起動するもの(『バルサンSPジェット』『バルサンSXジェット』『バルサンプロEX』『バルサンいや~な虫』)が有名だが、後になって『アースレッド』と同じく水で起動するもの(『水ではじめるバルサン』)や、ボタンを押して起動するもの(『霧のバルサン』)も登場した(いずれも中外製薬時代から発売)。 ライオン移管後、電気や電池を使わずに害虫を寄せ付けない置き型虫除けの『バルサン虫除けキューブ』(2006年発売)、ぬいぐるみやクッション等のダニを薬剤を使わずに窒息死させ駆除する『バルサンダニ駆除パック』(2006年発売/現在は生産中止)、殺虫成分を使わずマイナス40度の冷却効果で害虫を駆除する『氷殺ジェット』(2007年3月発売/現在は販売中止〔 〕)等、中外製薬時代にはほとんど不可能であった家庭用品メーカーライオンのノウハウを生かした商品を発売した。 なお、『バルサン』のくん煙剤は入手性が良く、物性が知られていることから、空気の流れを最適化する必要がある飛行機や自動車の車体形状を実験検討する(風洞実験)ために用いる実験材料として代表的なものとされ、以前はそれによる実験結果が国際的な論文などによく見られた。 2009年の「バルサンプロEX」のテレビCMから薬事法の改正により、中外製薬時代以来続けていた「使用上の注意をよく読んで正しくお使い下さい。」のテロップが表示されなくなった。但し、ライバル商品の「アースレッド」は従来通りテロップが継続されている。 歴代キャラクターは中外製薬時代は「バルサン王」、ライオンは「バルサンマン」(バルサンプロEXのCMのみ)がある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「バルサン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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