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バルプロ酸ナトリウム : ウィキペディア日本語版
バルプロ酸ナトリウム[ばるぷろさんなとりうむ]

バルプロ酸ナトリウム (英:sodium valproate:略記:VPA) は、抗てんかん薬の1つである有機化合物。日本では販売名デパケンセレニカで知られ、多くの後発医薬品も販売されている。適応は、てんかん、躁状態の治療、片頭痛発作の発症抑制である。双極性障害の気分安定薬としても知られる。
特異なにおいがあり、水に溶けやすい。薬理作用は、γ-アミノ酪酸(GABA)トランスアミナーゼを阻害することにより、抑制性シナプスにおけるGABA量を増加させて発現する。
一般的な副作用には、疲労感・振戦・鎮静や胃腸障害がある。加えて10%に可逆的な脱毛がみられる〔。バルプロ酸は過量投薬のリスクが高く、治療薬物モニタリングが必要である。
日本でも添付文書に自殺企図の既往や自殺念慮を有する場合に注意書きがある。連用中における投与量の急激な減少ないし中止により、てんかん重積状態が生じるおそれがある。
バルプロ酸ナトリウム(sodium valproate)は、化学者が、双極性障害用に開発した薬剤では決してない。バルプロ酸(valproic acid)は、長らく、有機化合物の代謝不活性溶剤として研究室内で使われてきた。1962年に、フランスの研究者 Pierre Eymard が、偶然、賦形剤として用いたところ、抗痙攣作用を発見し、その後、齧歯類動物のペンチレンテトラゾール誘発痙攣に対する予防効果を発見した。それ以来、偏頭痛や双極性障害にも使われるようになった。
妊娠中の使用は、子孫の自閉症自閉症スペクトラムのリスクを増加させることが判明している。
==機序==
バルプロ酸は、人間の脳の神経伝達物質であるGABAの作用に関連すると考えられている。主にGABAトランスアミナーゼを阻害し、GABA濃度を増加させるとされる。しかしながら近年、その他にいくつかの精神神経疾患に対しての作用機序が存在することが報告されている。
バルプロ酸はまた、電位依存性ナトリウムチャネルとT型カルシウムチャネルをブロックする。これらのメカニズムによりバルプロ酸は広域スペクトル抗けいれん薬である。
バルプロ酸は ヒストン脱アセチル化酵素1 (HDAC1) 酵素阻害剤であり、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤に分類される。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「バルプロ酸ナトリウム」の詳細全文を読む



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