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バンド理論 : ウィキペディア日本語版
バンド理論[ばんどりろん]
固体物理学における固体のバンド理論(バンドりろん、)または帯理論とは、結晶などの固体物質中に分布する電子の量子力学的なエネルギーレベルに関する理論を言う。1920年代後半にフェリックス・ブロッホルドルフ・パイエルスレオン・ブリリアンらによって確立された〔久保(1989) p.2〕。
== 概要 ==
バンド理論においては、『エネルギーと波数の関係\epsilon=\epsilon(\textbf)
(分散関係)』を、エネルギーバンド(バンド構造)と呼ぶ。
ブロッホの定理によると、結晶中の電子の波動関数(結晶中の電子の電子状態)は、波数と呼ばれる量子数によって指定される。このことが、エネルギーと波数の関係式が原理的に書き下せることを保障している。
また、結晶構造に応じた並進対称性の影響から、エネルギーバンドの間にギャップ(バンドギャップ)が生じることがある。
絶縁体半導体ではエネルギーバンドは価電子帯伝導帯に分かれ、フェルミ準位はそれらの間のギャップの中に存在するが、金属では少なくとも一つのエネルギーバンドの中にフェルミ準位が存在する。逆に、このエネルギーバンドの特徴によって、物質を金属と絶縁体に分類することができる。
このような金属、絶縁体の分類の描像は20世紀の半ばには確立されていた。しかし単純なバンド理論では説明できない絶縁状態(モット絶縁体)も存在し、強相関電子系と呼ばれる分野で研究されている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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