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パトローネ()は、写真機にフィルムをそのまま装填できる円筒形の容器である〔''パトローネ''、デジタル大辞泉、コトバンク、2012年3月28日閲覧。〕〔''パトローネ''、カメラマン写真用語辞典、コトバンク、2012年3月28日閲覧。〕。とくに写真用35mmフィルム(135フィルム)用のものを指し〔、英語由来の外来語フィルムカートリッジ()、あるいはフィルムカセット()は、それ以外のものを含めたカートリッジ式(カセット式)のロールフィルム全般の容器を指す〔''カートリッジ''、デジタル大辞泉、コトバンク、2012年3月28日閲覧。〕〔''カセット''、デジタル大辞泉、コトバンク、2012年3月28日閲覧。〕。たんにカートリッジ、カセットとも〔〔。 本項では、パトローネを中心にフィルムカートリッジ(フィルムカセット)全般について詳述する。 フィルムマガジンは基本的には写真機の部品・付属品であり、写真機のフィルムバックと同等であらかじめフィルムを充填して用意し、撮影の現場で交換可能、繰り返し使用するものであり、それぞれの項目を参照のこと。映画の撮影機のマガジン部については、を参照。 == 略歴・概要 == 1913年(大正2年)の最初の試作機を経て1925年(大正14年)に発売されたドイツの写真機「ライカ」は、映画用フィルムのスタンダードであった35mmネガフィルムを短く切り出し、スプールに巻いて使用していたが、まずアグフア(現在のアグフア・ゲバルト)が1932年(昭和7年)、世界で初めてパトローネに詰めた形で生フィルムを売り出した。1934年(昭和9年)、ドイツコダック(かつてのナーゲル、1931年買収)が開発したライカ判写真機「レチナ」とともに、コダックが発表したフィルム規格が「135フィルム」であり、これが現在の「パトローネ入り35mmネガフィルム」である〔''History of Kodak Roll Film Numbers'' , 2012年3月28日閲覧。〕。 パトローネ(135フィルムカートリッジ)は、写真1のように円筒状になっており、その上下には金属製の蓋がはめ込まれている〔。フィルムが容器から引っ張り出される出口には遮光布が張られており、感光を防いでいる〔。円筒の中心には、写真機と連動するしくみのスプールが貫かれており、内部にフィルムが巻いてある〔。基本的には、同一規格のパトローネ入りフィルムであれば、135フィルム用のどの写真機にも共通して使用可能である〔。パトローネの利点は、写真機へのフィルムの装填、および取り出しに際して、暗室での作業を必要とせず、不必要な露光の心配のない点である。 コダックの「135フィルム」のパトローネは当初から使い捨てタイプであるが、35mmフィルムを使用する写真機の新しい規格とともに、独自のパトローネの規格を発表することが、写真史上、その後もいくつかあった。ライカは、1935年(昭和10年)には、真鍮製で繰り返し使用が可能なパトローネ「フィルカ」を発売している。アグフアが1936年(昭和11年)に発表した、第二次世界大戦後、1964年(昭和39年)に合併してアグフア・ゲバルトとなって、同年発表したその後継規格としてのである。1958年(昭和33年)の東ドイツ(現在のドイツ)のORWOが発表したSLフィルムも同様である。 1957年(昭和32年)には、スイスで開発された超小型の35mm二眼レフ写真機「テッシナ」が発表になり、「135フィルム」を巻きなおす形式の専用パトローネが付属した〔''McKeown's Price Guide to Antique and Classic Cameras'', p.210.〕。 1983年(昭和58年)、コダックがフィルム感度(ISO感度)や枚数情報を写真機に伝達するために「135フィルム」のパトローネ側面に印刷する、市松模様のコードの規格「DXコード」(DX CASコード)を発表、多くのフィルム製造企業が採用した。ローライの135フィルムは、パトローネ側面が同コードに対応しておらず、手動でISO感度設定を行う必要がある〔Rollei Digibase CN200PRO-135-36枚撮 、かわうそ商店、2012年3月29日閲覧。〕。 1996年(平成8年)4月に製造販売が開始された「APSフィルム」(アドバンストフォトシステム)では、「135フィルム」のようにパトローネ(カートリッジ)側面にコードが印刷されておらず、フィルムに磁気が塗布されておりその磁気面に、撮影時の設定、日付・時間、プリントサイズ・枚数指定、コメント等が記録される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「パトローネ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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