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ヒモハクジラ(紐歯鯨、''Mesoplodon layardii'')は、ハクジラ亜目アカボウクジラ科オウギハクジラ属に属するクジラである。オウギハクジラ類としては大型の種である。 オウギハクジラ類の特徴は下顎の歯であるが、特にヒモハクジラの歯は牙のように長い独特の形状である。和名のヒモ(紐)はこの特徴のある歯を紐に見立てたものである。種小名の ''layardii'' および英名の Layard's は、ヒモハクジラの頭蓋骨を最初に報告し、南アフリカ博物館 (South African Museum) の館長としても知られるエドガー・レイヤード (Edgar Leopold Layard) に由来する。他の英名としてはStrap-toothed Whale(紐のような歯のクジラの意)がある。 == 形態 == ヒモハクジラの体型はオウギハクジラ類としては典型的であるが、同属の他種に比べて大型であり、オウギハクジラ属の中では一番大きいと考えられている。 オウギハクジラ類の雄の特徴である下顎の歯は非常に長く、30cm以上になることもある。この歯は後方に45度傾いており、さらに内側にも傾斜しているため、その歯が邪魔になって雄は口を完全に開けることができない。ただし、食餌の際の妨げになるということはないようである (CMS)。その歯には小歯状突起があり、争う際に使用されるようである。またその歯にフジツボが付着していることも多い。なぜこれほど大きな歯を有するのかは不明である。 頭部メロンは幾分膨らんでいるが明瞭ではない。口吻は長く、唇の線は比較的直線状である。身体の配色は他のオウギハクジラ類に比べるとはっきりしており、全身はほぼ黒であるが、口吻の先端、喉、頭部後方、生殖器の周囲などが白い。未成熟な個体の配色は異なっており、背側が濃い灰色で、腹側が明るい灰色である。胸びれは小さく幅が狭い。また背びれは鎌形あるいは三角形で、やはり小型である。尾鰭は三角形で切れ込みが無く、灰色の前縁を持つ。〔『世界哺乳類図鑑』 200 - 201頁〕ダルマザメによる噛み傷や他の雄と争った時の傷を持つことが多い。 雄の体長は5.9mほど、雌は若干雄よりも大きく6.1mほどである。体重は1,000kgから1,300kgに達する。産まれた直後の体長は2.8m程度と考えられている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ヒモハクジラ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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