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ヒューマン・アニマル・ボンド (英文:Human Animal Bond) は、略してHAB (ハブ) とも呼ばれ、『人と動物の絆』のことであり、コンパニオンアニマルの社会的認知を高めるとともに、人の暮らしの中に動物と触れあうことで得られる効用を活用しようという活動の根本となる考え方である。HABの対象動物はおもにイヌである。 == ヒトとイヌの歴史 == イヌはヒトと最も古くから、最も多くの機会に接してきた動物である。ヒトとイヌが絆 (信頼し合って飼い、飼われる関係) を結んだ経緯についてはいくつかの説がある。 第一の説は、少なくとも1万2千年前には人間はオオカミを飼い馴らしていたというもので、古代エジプト時代には数種類の異なった犬種が存在していた〔ジェームス・サーペル編『The Domestic Dog』チクサン出版《第12章犬-我らが仲間:その関係についての考察》より〕。 第二の説は、イヌはヒトとの共同生活を始める数万年も前からオオカミとは別の種となっていて、オオカミとはちがった特徴をもっていたがためにヒトとの共同生活がはじまったという説〔菊水健史『ペットと社会』岩波書店《ペットの歴史学「なぜヒトとイヌは近い関係になったのか」》より〕。 つまり、「狼が飼い慣らされてイヌになった」という説と「狼とは異なるヒトに飼い慣らされやすいイヌという種類がいた」という説がある。 いずれにしても、イヌが家畜化された最も古い動物であり、人間が長い期間にわたって手をかけてきたことで、他の家畜と比べて格段に品種が多く、形や大きさのバラエティが豊かである。現在世界には700種から800種のイヌがいるといわれている。 ヒトがなぜイヌを飼うようになったかについては、何かの使役の目的があって飼い慣らしたという説と、ペットとして飼い慣らされているうちに使役の目的で使われるようになったという説があるが、有力なのは後者である〔ブルース・フォーグル著『ヒューマン・アニマル・ボンド「人間と動物との絆」』ペットライフ社《どうして人間はペットを飼うようになったか?》より〕。 歴史的に、ヒトに飼い慣らされたイヌの重要な用途の一つは「軍事利用」だった。古代から中世、現代まで受け継がれてきた。一方何の役にも立たないイヌというのも中世には存在していた。人間の手によって品種改良されて多数の新しい品種が現れたのは11世紀のことで、その後16世紀頃には『かわいがられるだけのイヌ』というものが、確実に存在していたらしい〔桃木暁子『ペットと社会』岩波書店《ペットの歴史学「中世ヨーロッパとペット」》より〕。 日本においてペットとしてのイヌのあり方が大きく変わったのは1990年代である。純粋犬種の犬籍登録、動物病院の数、ペット関連の支出額、犬用のペットフードの流通量などが急増した。JKC (ジャパンケンネルクラブ) 登録数の増加し、イヌは近所からもらってくるとか拾ってくるとかで飼い始めるものではなく、ペットショップやブリーダーから購入するものとなった〔柿沼美紀『ペットと社会』岩波書店《ペットの歴史学「発達心理学から見た飼い主と犬の関係」》より〕。 1999年には「動物の保護及び管理に関する法律」が「動物の愛護及び管理に関する法律」 (略称:動物愛護法) に名称変更され、動物取扱業の規制、飼い主責任の徹底、虐待や遺棄に関わる罰則の適用動物の拡大、罰則の強化など大幅に改正された。2009年には、ペットフードの安全を確保するために「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」 (略称:ペットフード安全法) が施行された〔「動物の愛護と適切な管理」〕。 2009年、日本におけるイヌの飼育頭数は12,322,000頭。ネコは10,021,000頭となっている〔「第16回(平成21年度) 全国犬猫飼育率調査結果」〕。イヌは現在ヒトにとって重要なコンパニオンアニマルであり、経済動物でもある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ヒューマン・アニマル・ボンド」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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