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ビッグバン原子核合成(ビッグバンげんしかくごうせい、''Big Bang nucleosynthesis'')とは、現代宇宙論において、水素1以外の元素の原子核が宇宙の発展の各段階で形成されたことを表すものである。宇宙の元素合成の基本原理は、ビッグバンの数分後から始まり、重水素、ヘリウム3およびヘリウム4、リチウム6およびリチウム7の形成に関与したと考えられている。さらに、これらの安定原子核の他に、三重水素、ベリリウム7、ベリリウム8等の不安定原子核、放射性原子核も形成された。不安定原子核は、崩壊するか、他の原子核と融合して安定な原子核を作るのに用いられた。 ==ビッグバン原子核合成の特徴== ビッグバン原子核合成には2つの大きな特徴がある。 *宇宙の拡大が開始して3分後から20分後までの間の17分間しか続かなかった。その後は宇宙の温度と密度が核融合に必要なレベル以下に下がった。ビッグバン原子核合成の期間の短さは、重水素のような軽い元素が燃え尽きる前にベリリウム以上の重さの元素を形成させなかったという意味で重要である。 *広く広がり、観測可能な宇宙全体に網羅的に存在する。 ビッグバン原子核合成の効果を計算するのに必要なパラメータは、バリオンと光子の数の比である。このパラメータは、初期宇宙の温度と密度に相当し、核融合の起こる条件を決定する。またこの値から、元素の存在量を導き出すことができる。バリオンと光子の数の比は、このように元素の存在量を推定するのに重要であるが、正確な値は全体像と若干異なっている。ビッグバン理論自体に大きな誤りはないとすると、ビッグバン原子核合成の結果、約75%の水素1、約25%のヘリウム4、約0.01%の水素2、10-10以下の痕跡量のリチウムとベリリウムが生成し、重元素は生成しないはずである。(若い恒星の中には、理論からは予測されない痕跡量のホウ素が観測されることがあるが、ビッグバンによって生成したものと思われる。この問題については、現在のところ解答が出ていない。〔Hubble Observations Bring Some Surprises - New York Times 〕)現在宇宙で観測される元素の存在量は、理論上の値と一致しており、これはビッグバン理論の強い証拠となっている。 この分野では、パーセンテージは質量を表す。つまり、25%のヘリウム4とは、ヘリウム4が全体の質量の25%を占めていることを示す。しかし、原子の数では8%にしかならない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ビッグバン原子核合成」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Big Bang nucleosynthesis 」があります。 スポンサード リンク
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