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ピトー管 : ウィキペディア日本語版
ピトー管[ぴとーかん]

ピトー管(ピトーかん、)は流体流れの速さを測定する計測器である。発明者であるにちなんで命名され、ヘンリー・ダルシーにより改良された。航空機速度計風洞などに使用される。
アンリ・ピトーは1732年11月12日にパリ科学アカデミーでこの流速を直接計測できる発明を発表した。当時ベルヌーイの定理はまだ発表されていなかったため、彼はまったく直感的な根拠によってこの装置を利用した。ピトー管の動作とその使用における合理的な理論をベルヌーイの定理に基づいて調査したのはジョン・エアレイで、1913年のことであった。
== 原理 ==

基本的な構造は二重になった管からなり、内側の管は先端部分に、外側の管は側面にそれぞれ穴が空いている。二つの管は奥で圧力計を挟んで繋がっており、その圧力差を計ることができるようになっている。
ピトー管は、先端を流れに正対させて使用する。側面の穴(外側の管)は流れの影響を受けないため、ここには静圧 ''P''s がかかる。一方、先端にある穴(内側の管)はよどみ点であり、ここには全圧(総圧とも)''P''t がかかる。この全圧から静圧を引いた差圧(動圧 ''P''d )を測定し、ベルヌーイの式を適用することで流体の速度''V'' を計算することができる。
:V = \sqrt = \sqrt
ここでρは流体の密度である。このように、側面に穴(静圧孔)を備え、単体で全圧と静圧の両方を測るタイプのピトー管はピトー静圧管またはプラントルの静圧管とも呼ばれる。狭義のピトー管は、側面に静圧孔を持たず、全圧のみを測定するものである。この場合、静圧はピトー管とは別の位置に設けられた静圧孔から、センサあるいは計器へと導かれる。
流れが超音速である場合は、ピトー管の前方に衝撃波が形成され、上式の代わりに次のレイリーのピトー管公式を用いてマッハ数''M''1 が求められる:
:\frac = \left(\frac\right)^ \left(\frac\right)^\frac
ただし
* ''p''1 - 衝撃波上流の静圧
* ''p''02 - 衝撃波下流の全圧。ピトー管で直接測定される。
* γ - 比熱比
である。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ピトー管」の詳細全文を読む



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